MICS NEWS Vol.13 Number 8

          5.生体機能 … 機能の発見、製品開発 etc.
             



”H−003.国立科学博物館筑波実験植物園は、光合成をするスルガランと光合成をしないマヤランを人工的に交配させて種を培養し、開花させることに世界で初めて成功した。平成18年8月に交配させ、約1年後に種を採取して無菌培養した。6年後の今月(10月)中旬、約50株中3株が開花した。 
            【産経新聞 2012.10.27朝刊  2面】 
            【常陽新聞 2012.10.27朝刊  1面】 
            【茨城新聞 2012.10.27朝刊 21面】 
          【日刊工業新聞 2012.10.29朝刊 20面】“


”H−005.産業技術総合研究所と大阪大学は、共同で、微生物の細胞内の小器官リポゾームに存在する分子16SrRNAの遺伝子が、生物種を超えて置き換えできることを発見した。リポゾームはたんぱく質合成工場にあたる重要な器官。リポゾームの機能改変技術の開発につながる新たな知見として、有用なツールに利用できそうだ。
 【化学工業日報 2012.10.30朝刊  5面】“


”H−016.水産総合研究センターは、自然環境下で人為的に着生させたサンゴの幼生を高い確率で生残させる世界初の技術を開発した。今回用いた技術は、人工的に生産したミドリイシ属サンゴの幼生を、海底から高さ約50センチに設置した樹脂性のサンゴ増殖用基盤に海中で着生させるもので、従来1%程度だった生残率を18.1%まで高めることができた。
             【琉球新聞 2012.11. 2朝刊 28面】“


”H−017.理化学研究所は、植物細胞の大きさを自在に調整できる技術を開発した。これまでに「GTL1」という転写調節因子が、植物細胞の成長を抑制することが分かっていた。GTL1遺伝子の発現量を人為的に操作することによって、細胞の成長を抑制したり、促進したりして細胞の大きさを自在に変えることに成功した。
     【日刊工業新聞 2012.11. 5朝刊 17面】“


”H−028.東京大学大気海洋研究所と海洋研究開発機構、(株)いらご研究所は、共同で、ニホンウナギは卵からかえったあと、死んだ植物・動物プランクトンを餌としている可能性が高いことを明らかにした。長年の謎だった幼生の餌がほぼ解明されたことで、人工的な餌を改善する手がかりが得られ、卵からの完全養殖の産業化、大量生産に一歩前進した。 
          【日経産業新聞 2012.11. 8朝刊 11面】 
        【日刊水産経済新聞 2012.11. 8朝刊  1面】“


”H−041.農業生物資源研究所など12カ国・地域の研究機関が参加する国際チームは、ブタのゲノム(全遺伝情報)の9割を高精度に解読した。霜降りなど肉質を高めたブタや、少ない飼料でも育つブタなど品種改良が加速しそうだ。人間の病気のモデル動物としても使われており、高精度解読で、臓器移植や新しい医薬品の研究などにも役立つ。
           【日本経済新聞 2012.11.15朝刊 38面】
           【日経産業新聞 2012.11.15朝刊 11面】
           【日本農業新聞 2012.11.15朝刊 16面】 
          【化学工業日報 2012.11.15朝刊  5面】  
         【日刊工業新聞 2012.11.15朝刊 19面】  


”H−044.産業技術総合研究所は、アブラムシの植物に対する生物機能に着目した新知見を得た。今回の発見は、アブラムシの仲間による植物に寄生し完全密閉型の「虫こぶ」と呼ばれる巣のなかで起こす生物機能。今後、昆虫と植物の相互作用の解明や次世代DNAシーケンサーによる巣の形成プロセス段階の網羅的遺伝子解析を進める。
 【化学工業日報 2012.11.14朝刊  5面】“


”H−054.産業技術総合研究所は、植物の細胞の大きさが3種類のたんぱく質によって制御されていることをシロイヌナズナを使った実験で明らかにした。植物の背丈の長さ、花や実の大きさを制御する技術に応用できる可能性がある。特定したたんぱく質は、植物細胞の伸長に関与する「ACE」「PRE1」と、逆に伸長を阻害する「AtIBH1」の3種類。
           【日刊工業新聞 2012.11.20朝刊 21面】






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