MICS NEWS Vol.12 Number 10

         3.技術・装置等の開発 … 生産技術、分析、医療・医薬 etc.

             

”I−089.神奈川県水産技術センター、理化学研究所、東京海洋大学、日本獣医生命大学は、共同で、DNAマーカー(目印)を使い、特定の病気への耐性を持つ耐病性ヒラメを選別することに成功した。理研の次世代DNAシーケンサーを使い、マーカーを多数載せた精密な遺伝子地図を作成。これにより、短期間で耐病性ヒラメの選別に成功した。           
        【日刊工業新聞 2011.12.22朝刊 28面】“


”I−091.栃木県産業技術センターは、森林総合研究所と共同で、スギの樹皮からバイオ燃料のエタノールを生成する技術を開発した。これまで焼却処分されている樹皮を有効活用して、二酸化炭素の排出が少ないガソリンとの混合燃料への活用に道を開いた。樹皮に含まれるリグニン(セルロースの糖化を阻害する物質)の含有率を低減し、セルロースを糖化しやすくすることに成功した。           
        【日経産業新聞 2011.12.22朝刊 11面】“


”J−006.(株)ジナリスは、合成生物学、遺伝子組み換え法など組み合わせ、大腸菌の反応系を用いたバイオプロセスで、テレフタル酸(TPA)からフェノール系化合物のプロトカテク酸(PCA)や没食子酸(GA)を効率良く製造する方法を開発した。PCAは抗がん剤などの医農薬合成原料用途で知られ、GAは抗酸化剤やインク・染料原料、ボイラー洗浄剤、ピロガロールの原料になる。       
        【化学工業日報 2011.12.26朝刊  7面】“


”J−007.(株)免疫生物研究所は、中国で出願していた遺伝子組み換え蚕(GM蚕)を活用したタンパク質製造技術に関連する基本特許について、特許査定を受けたと発表した。特許料を支払うことで成立する。既に日本、欧州で成立している。同社はこの技術を活用し、研究用試薬や化粧品原料などに使われる抗体やタンパク質を製造・販売する。             
        【上毛新聞 2011.12.27朝刊  7面】“


”J−017.静岡県工業技術研究所は、コーヒー飲料の製造過程で発生する残りかす(残さ)を利用し、市販品の約2.5倍の吸着性能を持つ「スーパー活性炭」をつくることに成功した。活性炭は電気を通す導電性や蓄電性能が高いことから、将来的には電気自動車の電池の電極や、太陽光パネルの蓄電材料に利用が期待される。       
        【東京新聞 2012. 1. 4朝刊  1面】“


”J−028.長野県林業総合センターは、農業用ビニールハウス内で木材を太陽熱乾燥させると、含水率を機械乾燥と同水準の10%程度に下げられることを確かめた。天然乾燥の特徴の赤みや艶も出すことができ、内装材の生産技術として活用が見込める。   
        【信濃毎日新聞 2012. 1. 7朝刊  6面】“


”J−033.リオン(株)は、水中の生物粒子を瞬間的に連続測定できる装置を世界で初めて開発した。生物の細胞中には、特定の波長を当てると蛍光を発する「自家蛍光物質」が含まれている。開発した装置は、UV(紫外線)レーザーから発せられる特定の波長の光をサンプル中の微粒子に照射し、生物か非生物かを見分ける。管理対象となる水を装置内に通過させるだけで確認できる。             
        【産経新聞 2012. 1. 9朝刊 10面】“


”J−039.岐阜養鶏農業協同組合や堀田養鶏園、大野町の柿農家などでつくる「規格外富有柿利用研究会は、共同で、岐阜県の特産品「富有柿」を鶏の餌に混ぜて品質の良い卵を作る試みを進めている。卵黄の色に黄みが増し、味や鮮度も向上することが分かった。柿は傷などで出荷できない規格外のものを粉砕して餌に混ぜる。        
        【中日新聞 2012. 1.11朝刊 27面】“


”J−045.徳島、香川の産学官で魚の陸上養殖の研究に取り組む「四国おさかな工場研究会」は、水を循環させながら浄化・殺菌する「閉鎖型循環飼育システム」を開発した。水の取り替え作業が不要になり、養殖場所を問わないのが特徴。開発した飼育システムは、飼育水槽、水を浄化する泡沫分離装置、生物ろ過装置で構成されている。  
        【徳島新聞 2012. 1.13朝刊  9面】“


”J−048.(株)イムノヘルスは、家畜伝染病の予防薬(ワクチン)と一緒に使うことで効果を高めるアジュバントで、鼻粘膜に処理する安全性の高い経鼻タイプを開発した。鼻処理は注射による接種に比べて処理が簡単。ワクチンと併せて使えば、鼻の粘膜から体内に効率良くワクチンが作用するため、処理量を減らせ、薬剤コストを抑えられる。           
        【日本農業新聞 2012. 1.12朝刊 14面】“


”J−052.昭和電工(株)は、システム・インスツルメンツ(株)と共同で、発光ダイオード(LED)を使い効率的に植物を育てられるよう、赤・緑・青の光の構成を簡単に測定できる光量子計を開発した。測定結果に応じて光を最適化することで、消費電力を削減し、収穫量を増やせる。           
        【日刊工業新聞 2012. 1.17朝刊  1面】“


”J−057.神奈川県農業技術センターは、冬季のバラ栽培の省エネルギー化を図ろうと、バラの根元を温湯パイプで加温する栽培技術の開発を進めている。新しい栽培法では、バラの根元に通したパイプに、ボイラーで温めた30〜35度の温湯を流してバラを加温。温室全体ではなく根元を集中して温めることで省エネルギー化を図った。  
        【神奈川新聞 2012. 1.18朝刊 11面】“


”J−063.和歌山県農林水産総合技術センター果樹試験場うめ研究所は、紅色を生かした加工用として注目されている梅品種「露茜(つゆあかね)」の着色促進法を明らかにした。樹内の光環境をマルチシートを展張して良好にするとともに、着果量をある程度制限して果実肥大を促すと着色が良かった。露茜は、農研機構果樹研究所がスモモと梅を交配して開発した品種。           
        【日本農業新聞 2012. 1.20朝刊 16面】“


”J−064.農研機構は、ムギ類に萎縮障害を起こすウイルスの迅速診断システムを開発した。システムは酵素免疫測定法(ELISA)によるもので、数百程度の検体から1日程度でウイルスを検出することができる。農研機構は、迅速診断システムを活用して、全国的なウイルス発生分布マップの作成や抵抗性品種の開発にあたる。    
        【化学工業日報 2012. 1.20朝刊  4面】“


”J−065.群馬大学と理化学研究所は、体内の活性酸素が細胞などの機能を低下させる「酸化ストレス」の発生を簡単に検知できる手法を開発した。遺伝子操作により、酸化ストレスに反応して体内が発光する体質を持つ実験用マウスを作製。酸化ストレスを引き起こしたマウスを高感度検出器に入れると、体内からの発光信号を基にストレスの分布状況を画像で表示する。      
        【日本経済新聞(北関東) 2012. 1.20朝刊 31面】             
        【上毛新聞 2012. 1.20朝刊 21面】           
        【化学工業日報 2012. 1.23朝刊  9面】“


”J−067.米のベンチャー企業バイオアーキテクチャーラボは、昆布から燃料を取り出す方法を開発した。遺伝子組み換え技術で、昆布の糖質を分解しエタノールに変えられる大腸菌を作るのに成功した。海藻なら耕作地や農業用水が不要なため、大規模生産に有利。             
        【読売新聞 2012. 1.21夕刊 14面】“


”J−068.岩手生物工学研究センター、岩手県農業研究センター、英セインズベリー研究所は、共同で、稲のゲノム(全遺伝情報)を最先端の装置で素早く解読し、変異株と比較することで、優良遺伝子を最短1年間で特定する技術「ムットマップ(MutMap)法」を開発した。この技術を利用すれば、遺伝子組み換え技術を使わなくても、優良株を効率良く交配して品種改良できる。             
        【東京新聞 2012. 1.23朝刊  2面】           
        【日本農業新聞 2012. 1.23朝刊 13面】             
        【河北新報 2012. 1.23朝刊  3面】“


”J−073.千葉県農林総合研究センターは、奈良県農業総合センターと岐阜大学と共同で、PCR法によるイチゴ萎黄(いおう)病の診断技術を開発した。診断期間は3、4日。すでに同様の技術で開発した炭そ病と疫病を合わせ、イチゴの主要病害を高精度で素早く検査できるようになった。           
        【日本農業新聞 2012. 1.24朝刊 20面】“


”J−076.横浜国立大学は、植物用抵抗性誘導剤の開発において、ホタルの発光酵素(ホタルルシファーゼ)を活用した新規の化合物の評価探索手法を開発した。観察対象となる植物を生かしたまま遺伝子発現情報を得ることが可能で、発行量の強弱で活性が容易に判断できる。           
        【化学工業日報 2012. 1.25朝刊  4面】“






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