MICS NEWS Vol.12 Number 11

         3.技術・装置等の開発 … 生産技術、分析、医療・医薬 etc.

             

”J−080.岩崎電気(株)は、千葉大学と共同で、植物育成用途の照明器具として光合成を促進する高輝度放電灯(HID)ランプを開発した。成長性の高い赤色光の比率を高める一方、光合成への貢献が薄い緑色光の割合を低くした。稲作での実験において従来比で約10%成長を早めることに成功した。       
    【日刊工業新聞 2012. 1.26朝刊 10面】“

”K−003.森林総合研究所は、シイタケ栽培に利用されるほだ木の害虫ハラアカコブカミキリ幼虫の人工飼料の開発に成功した。人工飼料は、カイコ用の人工飼料に乾燥酵母と水、クヌギもしくはブナのおがくずを混ぜたもの。人工的に飼育が可能になったことで今後、新たな防除技術や発育に必要な環境条件など突き止めるうえで有用な成果となる。       
    【化学工業日報 2012. 2. 1朝刊  9面】“

”K−005.米ワシントン大学は、海水に含まれる多数の微生物の中から、特定の種を分離してゲノム(全遺伝情報)解読する方法を開発した。まだ培養技術が確立されていない微生物の果たす役割を明らかにするうえで有用な技術となる可能性がある。 
    【日経産業新聞 2012. 2. 1朝刊  7面】“

”K−007.農林水産省は、バイオ燃料を低コスト化するための技術開発を、2012年度にスタートする。低コスト化研究のバイオ燃料は、微細藻類を利用した石油代替燃料、草木を利用したバイオエタノール、林地残材を原料とするバイオ燃料の3種類。それぞれ低コスト化のための目標を1リットルあたり80円、100円、80円に置いている。       
    【日刊工業新聞 2012. 1.30朝刊  2面】“

”K−008.産業技術総合研究所と(株)アースリンクが開発した超微細な気泡のマイクロナノバブルを含んだ水資材「根活」が注目されている。土壌や養液に混ぜてイチゴを栽培したところ、増収や品質向上の効果が認められた。マイクロナノバブルは直径が数百ナノメートル(1ナノメートル=100万分の1ミリ)の気泡。気泡が水中で数カ月は保たれるのが特徴。       
    【日本農業新聞 2012. 1.30朝刊  1面】“

”K−012.九州大学は、温度や湿度など農地のデータを収集するシステムの実証実験を大分県で開始した。通信方法を改良、既存のシステムに比べて導入費用を30分の1程度に抑制する。作業でトラクターがセンサーに近づいた際、データを集める仕組み。  【日経産業新聞 2012. 2. 2朝刊 11面】“

”K−013.農業生物資源研究所は、殺虫剤開発に利用するスクリーニングシステムの普及拡大を目指す。昆虫の脱皮や変態を制御する幼若ホルモンの応答配列を活用したもの。開発したシステムは、昆虫の培養細胞にIGR(昆虫成長制御剤)候補物質を投与し、幼若ホルモンの応答によって候補物質の効果を確認するというもの。 
    【化学工業日報 2012. 2. 2朝刊  4面】“

”K−014.愛媛大学は、新しい養殖魚用飼料を開発し、その実用化を目指すベンチャー企業「愛南リベラシオ」を設立した。飼料中の動物性タンパク質にハエを利用し、価格が上昇している魚粉を減らす。ハエの一種「イエバエ」のサナギを含む飼料を摂取した養殖魚は免疫が活性化し、魚類の病原細菌に対する耐病性を得られる効果があった。       
    【日経産業新聞 2012. 2. 2朝刊 11面】       
    【日刊工業新聞 2012. 2. 2朝刊 18面】“

”K−015.群馬県繊維工業試験場とNPO法人里山の学校、新治農村公園公社は、共同で、薄い木の板に特殊繊維を加えた「繊維強化経木」を開発した。これまでの経木ではできなかった手機を使った加工が可能になった。この強化経木を活用、群馬県産の絹糸と桐生の織物技術を使って新しい木の製品を開発する。         
    【上毛新聞 2012. 2. 2朝刊  9面】“

”K−021.島根県畜産技術センターは、肥育終盤の和牛雌にエゴマの搾りかすを1日100グラム以上与えると、肉のうま味成分のオレイン酸などを含む不飽和脂肪酸が増えることを実証試験で突き止めた。不飽和脂肪酸は牛肉の脂肪に含まれる。廃棄するはずのエゴマかすを有効活用し、その堆肥をエゴマ生産に活用すれば循環型農業にもつながる。       
    【日本農業新聞 2012. 2. 6朝刊  1面】“

”K−025.千葉大学は、新薬剤アブシナゾール(Abz)が、植物の乾燥に対して高い抑制効果を示すことを確認した。リンゴの実生苗で実験したところ、20日間かん水しなくても枯れなかった。気孔を閉じる働きのある植物ホルモンのアブシジン酸(ABA)の量が増え、蒸散を抑え植物体内の水分含量を保つ。塩害対策にも効果がある可能性がある。       
    【日本農業新聞 2012. 2. 7朝刊 11面】“

”K−028.名古屋大学は、木質バイオマスの成分であるリグニンの化学構造と分布を同時に測定できる分析技術を開発した。二次イオン質量分析(SIMS)技術を用いることで各種リグニンの構造が分かると同時に、その分布が顕微鏡と同じ空間解像度で見られることを突き止めた。簡単で正確なバイオマス評価法になる。    
    【日刊工業新聞 2012. 2. 6朝刊 21面】“

”K−032.広島県立総合技術研究所水産海洋技術センターは、塩分濃度を下げた海水で傷ついた魚を延命させ、鮮度を保つ技術を開発した。海水魚の体内の塩分濃度は約1%で、海水は約3%。魚は海水を取り入れる際に、余分な塩分を排出する機能を備えている。海水の塩分濃度を体内と同じ約1%に希釈して排出エネルギーを減らすことで、生存率が高まったと考えられる。         
    【中国新聞 2012. 2. 8朝刊 23面】“

”K−036.静岡県水産技術研究所は、鰹(かつお)節原料加工の新技術「通電加熱法」を開発した。通電加熱法は、電気を通すことで食品そのものを内部から発熱させる技術。通常の煮沸加熱よりも早く均一的に加熱できる。実用化されれば、作業の効率化や加熱コストの削減につながる。         
    【静岡新聞 2012. 2. 9朝刊 22面】“
”K−039.理化学研究所は、1個のDNAから塩基配列を解読しながら遺伝子発現を定量解析できる方法「HeliScopeCAGE法」の工程を効率化する技術を開発した。これまで手作業を必要としたサンプル調製作業に、ロボットアーム(マニピュレーター)を新たに採用した。人為的ミスがなくなり、調製作業時間が従来の5分の1に短縮化できた。       
    【化学工業日報 2012. 2.10朝刊  9面】“

”K−040.理化学研究所と近畿大学、大阪大学は、傷つきやすい卵子などの細胞を一般の顕微鏡で観察できる技術を開発した。専用装置を顕微鏡に付ければ、弱い光をあてるだけで細胞を観察できる。蛍光顕微鏡に内臓している特殊なフィルターを、一般の顕微鏡のレンズにも取り付け可能にする専用装置を開発した。       
    【日経産業新聞 2012. 2.10朝刊 10面】“

”K−044.島根県水産技術センターは、中海のサルボウガイが大量死する原因として指摘されている「貧酸素」ついて、貧酸素状態が約2週間継続すると大半のサルボウガイが死ぬことを確認した。死ぬまでの期間が判明したことで、漁協関係者は大量死を防ぐ対策につながる可能性がある。       
    【山陰中央新報 2012. 2.10朝刊 27面】“

”K−045.(株)相馬光学は、農作物などの栄養素を測定できる近赤外分光光度計を発売する。1200ナノ−2500ナノメートル(ナノは10億分の1)の波長を測定し、食物のタンパク質や脂肪の含有量を調べる。光学系を開発して測定時間を短縮した。従来は1分程度かかっていた試料でも、10秒以下で測定できる。   
    【日刊工業新聞 2012. 2.14朝刊  8面】“

”K−047.理化学研究所は、次世代DNA解析装置(シーケンサー)で得られるRNA断片解析の情報を基に、細胞内に本来ある全長RNAを約93%の高精度で再構築する解析プログラム「ARTADE2」を開発した。植物育種、バイオマス資源開発、環境分野などあらゆるバイオ技術に必要な解析に基盤技術として利用できる。
    【化学工業日報 2012. 2.15朝刊  9面】“





もどる


(c)Copyright 2000 by Food Microscience Network
All rights reserved