MICS NEWS Vol.13 Number 3

         3.技術・装置等の開発 … 生産技術、分析、医療・医薬 etc.

             

”B−072.カナダのポンド・バイオフューエルズは、工場などから排出される二酸化炭素を微細藻類を用いて吸収し、藻類が光合成により変換したバイオオイルやバイオディーゼルなどを抽出するシステムを開発した。藻類1キログラムで2キログラムの二酸化炭素を吸収し、約1トンの藻類から100リットルほどのバイオディーゼルが得られる計算。
           【化学工業日報 2012. 5.23朝刊 10面】“


”B−073.近畿大学水産研究所富山実験場は、陸上の水槽でサクラマスの養殖に成功した。養殖には富山湾の水深100メートルからくみ上げた低温の海水を使う。昨年11月から500匹の稚魚を育てて、半年後の今年5月には大半が体長約50センチ、重量約1.5キロまで成長した。陸上養殖は温度管理がしやすいなど海での養殖に比べ利点も多い。
           【日経産業新聞 2012. 5.24朝刊 11面】 
       【日経MJ(流通新聞) 2012. 5.28朝刊 14面】“


”B−075.北海道立総合研究機構と北海道大学は、共同で、屋外でも距離を計測でき、情報処理機能を一体化させたステレオビジョンセンサーを開発した。3者が共同開発中の果樹園向け除草ロボットに搭載し、秋からブドウ畑で実験を始める。開発したセンサーは人間の目の代わりをする。距離は二つのセンサーがとらえた左右の画像の視差から計測する。 
          【日刊工業新聞 2012. 5.24朝刊 24面】“


”C−002.長野県は、今年度、優秀な繁殖和牛の卵子を活用した受精卵移植(ET)で、高い能力を持つ和子牛を安定して増産する体制づくりを始める。長野県産和牛の肉質向上と増産を両立させ、長野県が認定する「信州プレミアム牛肉」の生産振興を狙う。
       【日本農業新聞 2012. 5.24朝刊 16面】“


”C−004.香川大学瀬戸内圏研究センターや香川県などは、ノリ網の周りを目の細かいネット「ノリスカート」で囲って肥料を与える実験で、色落ちを大幅に軽減できたことを確認した。色落ちは、海中の窒素やリンなどの栄養分が不足することでノリが黄緑色に変色する現象。 
            【四国新聞 2012. 5.27朝刊 24面】“


”C−006.水産総合研究センターは、海産魚類の種苗生産に不可欠なエサとなるワムシの連続培養システムを開発した。閉鎖循環方式の採用で、廃水がまったく出ない、効率的な循環対応型となる。培養開始時以外に新しい海水をまったく利用しないのも特徴。
      【化学工業日報 2012. 5.29朝刊  5面】“


”C−007.茨城大学は、農研機構野菜茶業研究所、パイオニアエコサイエンス(株)と共同で、アスパラガスの根に共生する菌を接種し、土壌病害で防除が難しい立枯病の抑制技術の実用化にめどをつけた。共生菌は植物の根に侵入、定着し、アスパラガスの抵抗力を高める。そのため立枯病菌が侵入しても病害が発生しにくくなる。
    【日本農業新聞 2012. 5.29朝刊 16面】“


”C−012.北海道農業研究センターは、東北農業研究センターと共同で、初秋に種をまき、翌年夏に収穫する秋まき小麦について、春先の低温と夏の高温が重なった年は不作となる傾向にあることを突き止めた。春の寒さによる生育の遅れが響き、最も収量を左右する時期に夏の暑さが直撃することで、ダメージに拍車がかかるとみられる。
  【北海道新聞 2012. 5.30朝刊  2面】“


”C−014.荒川化学工業(株)は、産業技術総合研究所と共同で、松ヤニから高機能な電子材料の原料として用途が期待できる「テルペンオキシド」を合成する方法を開発した。開発したのは過酸化水素を酸化剤に使った方法で、従来の有機溶媒を使った方法と比べ、環境負荷が少ない利点がある。
           【日刊工業新聞 2012. 5.30朝刊 33面】“


”C−018.山梨県果樹試験場は、ブドウの超早期加温栽培で蛍光灯に代わる低コスト電照資材として、赤色の帯状発光ダイオード(LED)光源を開発した。平行整枝の「ピオーネ」では、主枝間の棚下に設置し、限られた範囲の新梢(しんしょう)を照らせばよい。試験では無照射の場合と比べ1粒重が約3グラム多く、大粒の「ピオーネ」になった。 
          【日本農業新聞 2012. 6. 1朝刊 16面】“


”C−021.静岡県森林・林業研究センターは、静岡大学、マイクロメジャー(株)と共同で、原木段階で含水率と強度を測定できる「原木グレーディングマシン」の試作機を開発した。実用化されれば、木材の品質向上と製材コストの大幅カットにつながるため、静岡県産材普及への貢献が期待されている。 
            【静岡新聞 2012. 6. 1夕刊  1面】“


”C−024.水産総合研究センターは、形態が極めて類似している高級カキの一種シカメ(シカメガキ)とマガキを迅速簡便に生きたまま判別する手法を開発した。開発した方法は、遺伝子増幅法であるLAMP法をベースとした技術。新たな方法では糞を調べることで1時間半以内で判別可能になった。 
          【化学工業日報 2012. 6. 5朝刊  5面】“


”C−025.和歌山県の地場企業で組織する協同組合ラテストは、ヒバやヒノキなどの樹木から抗菌物質だけを高濃度で取り出せる抽出技術を確立した。新技術は、木部に圧搾のような機械的な応力を加えて抗菌成分だけを効率的に取り出す。抗菌成分の分離法として一般的な水蒸気蒸留に比べて成分濃度を10倍以上に高められる。 
   【化学工業日報 2012. 6. 5朝刊  1面】“


”C−026.群馬県立産業技術センターと桐生ガス(株)は、共同で、廃食用油からバイオディーゼル燃料(BDF)を取り出す際に発生するグリセリンから、都市ガスの原料のメタンを生成する技術を開発した。ルテニウムに数種類の素材を加えて、グリセリンからメタンを取り出す触媒を開発し、メタン濃度を都市ガスに利用可能な60%まで引き上げることに成功した。 
            【茨城新聞 2012. 6. 5朝刊 10面】“


”C−030.農研機構畜産草地研究所は、千葉県畜産総合研究センター、太平洋セメント(株)、小野田化学工業(株)と共同で、畜産排水の脱色と消毒、リンの除去を同時に行い、回収したリンを肥料として活用する技術を開発した。下水処理で開発された回収用資材を改良し、新規に開発したケイ酸と消石灰からなる「非晶質ケイ酸カルシウム水和物(CSH)」を使う。
           【日経産業新聞 2012. 6. 6朝刊  7面】 
          【日本農業新聞 2012. 6. 6朝刊 14面】 
     【日本経済新聞(北関東) 2012. 6. 6朝刊 35面】 
          【化学工業日報 2012. 6. 7朝刊  4面】 
            【千葉日報 2012. 6. 6朝刊  1面】 


”C−033.東京農工大学は、ブルーベリーの促成栽培の研究開発において、収量を2倍にする周年生産技術を確立した。慣行栽培の場合、ブルーベリーの収穫は年に1回だが、確立された技術では、光量や温度の管理、品種の選択などで年2回の収穫を可能とした。企業への技術移転などでブルーベリーの促成栽培技術を普及拡大していく考え。
           【化学工業日報 2012. 6. 6朝刊  4面】“


”C−048.東京農工大学は、バイオエタノールの原料となるセルロースを、植物から室温で効率よく取り出す技術を開発した。古紙や食用とならない植物の茎などに特殊な水溶液を加えて混ぜるだけで、セルロースが得られる。新技術は乾燥や加熱する工程が不要で、抽出に必要なエネルギーを約10分の1に低減できる見込み。
      【日経産業新聞 2012. 6.12朝刊  9面】“


”C−052.愛媛県産業技術研究所は、膨らみが悪くパンには不向きとされてきた裸麦で、小麦並みのふわふわパンを製造する技術を開発した。裸麦粉パンが膨らまない原因である不溶性食物繊維(セルロース)に酵素(セルラーゼ)を添加、分解することで小麦粉パンと同等の膨らみを実現した。
           【日本農業新聞 2012. 6.16朝刊 15面】







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