MICS NEWS Vol.13 Number 6

         3.技術・装置等の開発 … 生産技術、分析、医療・医薬 etc.

             


”E−052.静岡県農林技術研究所茶業研究センターは、茶の株面に資材をかぶせる直接被覆で、緑色の濃い生葉を量産する場合、葉緑素含量と収量がともに多い品種「さやまかおり」が向くことを確認した。濃緑生葉を粉末にすれば、食品やドリンクの原料などに向き、新たな用途開発が期待される。
           【日本農業新聞 2012. 8.17朝刊 14面】“


”E−057.オランダのフローニンゲン大学は、肥満防止に役立つ食品加工技術を開発した。ポテトフライなどジャガイモ製品に含まれるでんぷんを新開発の酵素で加工処理する技術。ジャガイモのでんぷんをこの技術で処理すると、でんぷんに含まれるグルコースがゆっくり放出される徐放効果により、長時間にわたって空腹感を抑える。
  【日刊工業新聞 2012. 8.21朝刊 25面】“


”E−061.農研機構生研センターは、ヤンマー(株)と共同開発中の「自走式・乗用型のキャベツ収穫機」が2013年度に商品化するめどがついたことを明らかにした。これまでに実用化済みのキャベツ収穫機で、収穫精度やコンテナへの収容に問題があった点を改良した。試作機の作業効率は一日当たり20アールで、従来型収穫機の2倍に相当する。 
          【日刊工業新聞 2012. 8.21朝刊  2面】“


”E−062.東京海洋大学は、水産総合研究センター、農研機構と協力し、魚の寄生虫として知られるハダムシがブリに寄生しにくくなる研究を進めている。ハダムシがつかないタイプの天然ブリのゲノムの一部を解析したところ、特殊な体表をつくる遺伝子群を見つけた。この遺伝子群を持つ親ブリを選び、交配させて稚魚を飼育することで、養殖の効率がよくなる。
           【日本経済新聞 2012. 8.21朝刊 12面】“


”E−064.島根大学は、野菜の代表的な病気である「うどんこ病」の被害を抑える技術を開発した。特定の波長の光を連続して当てる。キュウリの実験では、葉にできる白い斑点の面積を約10分の1に抑えることができた。液晶テレビのバックライトなどに使うHEFL(ハイブリッド電極蛍光管)を、特定の波長を出すように調整し、照明に使った。
           【日経産業新聞 2012. 8.21朝刊 10面】“


”E−075.長崎県総合水産試験場は、クロマグロの種苗生産技術開発に取り組んでいる。本年度の稚魚の初回生産数は約4400匹で、ふ化した仔魚(しぎょ)が稚魚まで生きる「生残率」が目標の1%を達成した。同試験場で開発した技術を県内の民間種苗生産業者に指導して、安定生産を推進する。 
            【長崎新聞 2012. 8.24朝刊  7面】“


”F−004.岩手大学は、植物ウイルスを利用し、リンゴの開花時期を早める技術を確立した。開花を促す遺伝子をつないだ無害のウイルスを、リンゴの種子に入れた。開花まで通常5〜10年かかっていたリンゴが、1カ月半から2カ月で開花するようになった。このリンゴの花粉を普通のリンゴに受粉させてできた果実の種子には、ウイルスや遺伝子の痕跡が残らない。
           【日本経済新聞 2012. 8.28朝刊 12面】“


”F−005.広島県立農業技術センターは、ホウレンソウを加害するコナダニ(ホウレンソウケナガコナダニ)を、稲わらに繁殖する土着天敵と薬剤を組み合わせて防除する技術を考案した。ハウスの内周部に稲わらを敷き詰めてコナダニの侵入を防ぐとともに、土壌消毒と薬剤防除を行う方法だ。
           【日本農業新聞 2012. 8.28朝刊  1面】“


”F−008.静岡県農林技術研究所茶業研究センターは、性フェロモン剤を使い、減農薬で茶のクワシロカイガラムシとハマキムシの発生を同時に抑制する防除法を確立し、生産現場での活用を呼び掛けている。性フェロモン剤でハマキムシの交信をかく乱して防除し、農薬を散布しないことでクワシロカイガラムシの天敵を温存する。
   【日本農業新聞 2012. 8.29朝刊 16面】“


”F−013.宮崎県畜産試験場は、子牛が感じている不快指数(THI)をリアルタイムで表示する「ストレスメーター」を開発した。THIは牛舎内の温度と湿度から算出。暑さ寒さから子牛を守るための対策を迅速にとることができ、健やかな成長、疾病予防に役立つと期待されている。 
          【宮崎日日新聞 2012. 8.30朝刊 22面】
           【日本農業新聞 2012. 9. 3朝刊  1面】“


”F−019.東京大学は、ヒモ状の高分子であるDNAを人工的に巻き取ることができるシステム「分子リール」を開発した。DNAを巻き取る仕組みを人工的に再現するもので、発現のスイッチのオン/オフが的確に行われる制御システムを解き明かすうえで、DNAを折り曲げるのに必要な力やエネルギーの大きさを直接計測することができる技術。 
          【化学工業日報 2012. 8.31朝刊  3面】“


”F−025.奈良先端科学技術大学院大学は、慶応義塾大学、東京大学、京都大学と共同で、RNA(リボ核酸)の構造を素早く予測できる手法を開発した。数学の手法を応用することで計算量を大幅に減らした。従来法より1万倍以上速く答えを求められる。新しい手法は、RNAの2次元構造と、2つのRNAが結合した際の相互作用が予測できる。
           【日経産業新聞 2012. 9. 4朝刊 10面】“


”F−051.石川県農林総合研究センターは、大阪市で開かれている食品産業の展示会「フードテック2012」で、抹茶や機能性成分のアスタキサンチンなどの色あせを防ぎ、水に溶けやすくする「糖質ラップ製造法」を披露した。抹茶の粉末や甲殻類の殻などに含まれる赤い色素のアスタキサンチンの成分を油分で溶かし、その外側をデキストリンなどの糖分で覆う。
           【日本農業新聞 2012. 9.14朝刊 14面】“


”F−056.農研機構畜産草地研究所は、東京大学、秋田県畜産試験場と共同で、牛の体外受精卵移植で、健康食品素材として利用される、アミノ酸の一種、L−カルニチンを培養液に添加すれば、体外受精卵の生産率と凍結保存後の生存率を大幅に高められることを明らかにした。L−カルニチンの働きで受精卵内の脂肪が減ることで、受精卵の活力が高められ、凍結にも耐えやすくなる。
           【日本農業新聞 2012. 9.18朝刊 14面】
           【化学工業日報 2012. 9.19朝刊  5面】
           【日経産業新聞 2012. 9.19朝刊  7面】


”F−064.東北大学は、産業技術総合研究所と共同で、果実に針を刺すだけで糖度を測定できる新センサーを開発した。針の先端に「酵素電極シール」が巻いてあり、電源がなくても果実の糖分量に比例して発電する。センサーにつけた発光ダイオード(LED)の点滅のペースから、糖度を測る仕組み。 
          【日本農業新聞 2012. 9.20朝刊 14面】“


”F−072.農研機構北海道農業研究センターは、ユウガオの花粉を使って、種なしスイカを作れることを明らかにした。従来の種なしスイカでは、種子の高価な3倍体品種や放射線処理をした花粉、植物ホルモンを使うなど、準備や手間が必要だった。ユウガオはスイカの台木にも使われ、花粉の入手は簡単。 
          【日本農業新聞 2012. 9.23朝刊  1面】“


”F−074.岐阜大学は、植物の栄養不足を遺伝子の働きから判定する技術を開発した。葉の一部などを切り取って遺伝子を調べ、土壌中の養分が行き届いているかを探る。様々な遺伝子の働きを調べるのにDNA(デオキシリボ核酸)チップという器具を使う。特定の遺伝子が活発に動く様子などが発光の加減でわかる。 
        【日経産業新聞 2012. 9.21朝刊 10面】“






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