MICS NEWS Vol.13 Number 7

         3.技術・装置等の開発 … 生産技術、分析、医療・医薬 etc.

             

”G−001.農研機構野菜茶業研究所は、茶の主要病害虫のクワシロカイガラムシと輪斑病、炭そ病に抵抗性を持つ緑茶用品種「なんめい」を育成した。DNAマーカーを使って選抜したが、果樹や茶などでこの手法を用いたのは国内初めて。DNAマーカーは、遺伝子の特定の塩基配列を目印に使い、目的の有用な遺伝子を持っているかを確認する手法。
           【日本農業新聞 2012. 9.26朝刊  1面】 


”G−007.高知工業高等専門学校の産学官連携グループは、独自開発のマイクロバブル(微細気泡)発生器の1次産業利用で効果を確認した。農業用途ではマイクロバブル発生の水をショウガの洗浄に使い、4割の節水効果を得た。開発したマイクロバブル発生器は、発生する気泡の8割が直径約1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下という微細化が特徴。
           【日刊工業新聞 2012. 9.28朝刊 27面】“


”G−014.新潟大学は、高価な機能性オリゴ糖を、安価な砂糖や植物性廃棄物から作り出す反応を開発した。全遺伝情報(ゲノム)解析で見つけた特殊な微生物のオリゴ糖分解・合成酵素を利用する。販売価格が1グラム数万−数億円になる既存品のほか、組み合わせを変えて新規のオリゴ糖を多数、作り出すシステムにめどを付けた。
   【日刊工業新聞 2012.10. 4朝刊 20面】“


”G−018.東京農工大学は、水稲種子の温湯消毒時の高温耐性を向上させる技術を開発した。温湯消毒に先立ち高温で種子を乾燥させることで高温耐性を上げるもので、防除効果の向上などが期待できる。水稲種子の水分含量を低下させると高温耐性が著しく向上することを見出した。温湯消毒は、水稲種子を60度C程度の湯に漬けて病害虫を防除する。 
          【化学工業日報 2012.10. 4朝刊  4面】“


”G−024.アサヒグループホールディングス(株)と農研機構九州沖縄農業研究センターは、共同で、サトウキビから多くの砂糖とエタノールを作り出す技術を開発した。サトウキビの搾り汁から砂糖にならない糖分(還元糖)のみを発酵させる特殊な酵母を使い、農研機構が開発した、単位面積あたりの収量が多いサトウキビを原料にした。1ヘクタールあたりの砂糖とエタノールの生産量はともに2倍になった。
     【朝日新聞 2012.10.10朝刊  6面】 
            【東京新聞 2012.10.10朝刊  7面】 
          【日経産業新聞 2012.10.10朝刊  2面】 
    【フジサンケイビジネスアイ 2012.10.10朝刊  7面】 
          【日刊工業新聞 2012.10.10朝刊 13面】 
          【化学工業日報 2012.10.10朝刊  1面】  
         【日本農業新聞 2012.10.10朝刊 16面】  
          【西日本新聞 2012.10.10朝刊 14面】  
         【信濃毎日新聞 2012.10.10朝刊  7面】 


”G−025.福岡県水産海洋技術センター豊前海研究所は、塩化ビニール製の水道管を使ったアサリ増殖装置を開発した。砂地でしか生きられないとされていたアサリだが、実験では最も良い条件で9割以上の貝が順調に成長。一般的な養殖施設の3倍の速度での成長が確認された。コストも従来の10分の1以下。 
           【西日本新聞 2012.10. 6朝刊  1面】“


”G−032.和歌山県農産物加工研究所は、梅酢からポリフェノールを工業的に抽出する技術を確立した。抽出技術はポリフェノールだけを吸着剤に取り込み、アルコールとの親和性の高さを利用して取り出す仕組み。トライアンドエラーで適した吸着剤を見つけ、流速やアルコール濃度などの条件も確立した。 
          【日刊工業新聞 2012.10.10朝刊 23面】“


”G−045.愛媛県農林水産研究所は、機能性成分を豊富に含む伊予カンジュースの搾りかすを活用し、養殖ハマチ(ブリの稚魚)の餌に混ぜ、切り身の生臭さと変色を抑える技術を開発した。果実の機能性成分をいち早く実用化したかんきつの新用途として注目される。
           【日本農業新聞 2012.10.13朝刊 15面】“


”G−046.奈良県森林技術センターは、竹粉を80%(重量比)含有するバイオマス(生物資源)プラスチックを開発した。竹を約230度Cで過熱蒸気(低温炭化)処理して粉砕する事で、プラスチックとの親和性を高めた。作製した竹粉率80%のペレットは射出成形、押し出し成形が可能だった。低温炭化処理は竹の有効利用につながる可能性がある。
           【日刊工業新聞 2012.10.16朝刊 27面】“


”G−053.北海道大学は、難培養性微生物の培養に重要な新知見を得た。培養に一般的に使われる寒天培地は、ある種の微生物を培養することができない。この原因を突き止めた。寒天に含まれるフランカルポン酸が微生物によるコロニーの形成を抑制していることを確認した。 
          【化学工業日報 2012.10.18朝刊  5面】“


”G−055.福井県園芸試験場は、福井シード(株)と共同で、エチゼンダイモンジソウなど絶滅危惧種の山野草を寒天の培地を使って効率良く増殖させる技術を開発した。種や発芽した苗を植物ホルモンや糖分を含んだ寒天の培地で育てる。一般的に山野草は病気に弱く栽培しにくいが、無菌状態で培養する今回の技術を使えば、確実に育つ。
 【福井新聞 2012.10.18朝刊 11面】“


”G−056.水産総合研究センターは、スケソウダラの稚魚の大量飼育に世界で初めて成功した。餌のプランクトンを低温で繁殖させる技術を確立したことが成功につながった。餌のシオミズツボワムシの飼育水温を徐々に下げることで、稚魚の飼育に適した8度の水温でも繁殖に成功した。 
           【北海道新聞 2012.10.19夕刊 12面】“


”G−070.マイクロ波化学(株)は、大阪大学と連携して、電子レンジで食品を加熱する時に使う電磁波「マイクロ波」を使い、廃油から化成品などを製造する技術を開発した。マイクロ波を照射して藻類の細胞を壊し、内部に含まれる油分を回収する技術も新たに開発した。従来の方法に比べて、抽出に必要なエネルギーが1割以下で済む。 
        【読売新聞(大阪) 2012.10.28朝刊  7面】“






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