MICS NEWS Vol.13 Number 9

         3.技術・装置等の開発 … 生産技術、分析、医療・医薬 etc.

             

”I−005.富山県農林水産総合技術センター森林研究所は、富山県内に自生し、選抜した良食味の野生型エノキタケを無殺菌で培養する方法を開発した。害菌を抑制する放線菌と複合培養することで、殺菌の過程を省いて低コストでの栽培が可能になる。害菌に対する抗菌活性を9種の放線菌で調べ、うち2種類が有望であることを突き止めた。
           【日本農業新聞 2012.11.21朝刊 14面】“


”I−010.広島県立総合技術研究所農業技術センターは、露地栽培するナスの畑の外周にマリーゴールドとソルゴーを植え付けると、天敵昆虫のヒメハナカメムシがすみ着くため、ハダニの増殖が抑えられることを突き止めた。ハダニはナスの葉を食害し、枯死や果実の生育不良を引き起こす。 
          【日本農業新聞 2012.11.22朝刊 14面】“


”I−011.大阪府立環境農林水産総合研究所は、宮崎大学、日立造船(株)と共同で、豚ぷん堆肥に熱を加え、炭化させて回収したリンを野菜栽培に利用できることを実証した。回収したリンは化学肥料の原料用に供給することもできる。カリウムの回収も可能。養豚と園芸の連携を目指し、施肥マニュアルなどの作成を目指す。
      【日本農業新聞 2012.11.23朝刊 14面】“


”I−017.神奈川県農業技術センター畜産技術所は、肥育牛の餌に5割のおからを混ぜても、上質な肉質等級を保てることを試験で実証した。飼料価格が高騰するなか、安価で高タンパク、高カロリーのおからを利用することでコストを削減。飼料自給率の向上や資源循環の促進などにもつながる。
            【神奈川新聞 2012.11.27朝刊  9面】


”I−035.広島県立総合技術研究所農業技術センターは、ピートモスなどを固め容器に入れない裸の培地で冬取りのイチゴを育苗すると、従来のポリポット苗より収穫が1カ月早まることを実証した。水分が蒸発しやすく気化熱を奪うことで、夏の育苗期に培地の温度が上がりにくくなる。
           【日本農業新聞 2012.12. 2朝刊  1面】“


”I−039.東京海洋大学と長崎県総合水産試験場は、共同で、冬の味覚の王者「トラフグの白子」を大量生産する技法を開発した。別の種であるクサフグを「代理親」にして、オスの子どもだけが繁殖するトラフグを作ることで、「白子(精巣)」の大量生産につながる。トラフグは、白子が珍重され、メスよりオスが3割ほど高い値段で取引される。
             【朝日新聞 2012.12. 4朝刊 37面】“


”I−040.農研機構中央農業総合研究センターは、飼料稲を収穫せずに牛の水田放牧に活用することで、秋冬放牧の有効性を実証した。稲の立毛放牧で収穫・調製に必要な機械が要らず省力的で、畜産農家は畜舎の増設なしで増頭が見込める。秋冬放牧により餌やりや排せつ物処理など1日7時間の作業が省ける。
             【日本農業新聞 2012.12. 4朝刊 16面】“


”I−041.福島県農業総合センターは、粒径0.2ミリに破砕した飼料用のもみ米をトウモロコシの代替飼料として肥後後期の豚に30%給与しても、発育が良好であることを確認した。品種は「ふくひびき」。三元交雑種(LWD)を短飼、不断給餌、自由飲水の条件で飼養した。
           【日本農業新聞 2012.12. 4朝刊 16面】“


”I−045.(有)スペクトルデザインは、宇都宮大学などと共同で、非接触でイチゴの品質を評価する装置を開発した。分析時間が0.2−0.3秒と短い。イチゴに可視光や近赤外線を当て、吸光度のスペクトルからイチゴの含まれる水分やでんぷんなどから甘さや硬さ、酸っぱさなどを分析する。 
          【日刊工業新聞 2012.12. 5朝刊  7面】“


”I−050.岡山県水産研究所は、ゲタ(シタビラメ)の稚魚の量産技術を確立した。照明を24時間点灯しておくと稚魚が餌を見つけやすく、食い付きがよくなることが判明。4万リットル入りの大型水槽を用いた試験で、ふ化した約77万匹のうち1割に当たる約7万7千匹が約2センチのサイズまで育った。 
            【山陽新聞 2012.12. 9朝刊  9面】“


”I−052.農研機構野菜茶業研究所は、春どりレタスの有機栽培において、紫外線除去フイルムの被覆により、レタスの病害である菌核病を抑制できることを確認した。菌核病を引き起こす糸状菌の胞子形成に紫外線を必要とするものがあり、紫外線が除去されると胞子形成が阻害され病害発生が抑制される。
           【化学工業日報 2012.12.12朝刊  4面】“


”I−056.山口県農林総合技術センターと農研機構近畿中国四国農業研究センターは、低コストな高軒高ハウスや、省力的な自動かん水装置などを使い、低段密植栽培の2作で夏秋トマトの収量を増やす生産体系を確立した。実証試験では、10アール当たりの商品果量が16トンに達し、山口県平均の2倍になった。
         【日本農業新聞 2012.12.13朝刊 14面】“


”I−057.近畿大学水産研究所は、人工環境でふ化して育った完全養殖のクロマグロの幼魚を海に放流したところ、1カ月以上にわたり自然環境でも生存したことを確認した。今後、放流した養殖クロマグロの生存率や回遊経路などを天然魚と比較するとともに、生態系への影響などを調べる。 
             【産経新聞 2012.12.14朝刊  2面】 
          【日経産業新聞 2012.12.14朝刊  8面】 
            【東京新聞 2012.12.14朝刊  7面】  
           【毎日新聞 2012.12.14朝刊 31面】 
            【読売新聞 2012.12.14朝刊 38面】
             【神戸新聞 2012.12.14朝刊 31面】 
            【京都新聞 2012.12.14朝刊 33面】  
           【静岡新聞 2012.12.14朝刊 34面】 
            【新潟日報 2012.12.14夕刊  7面】
         【日刊水産経済新聞 2012.12.17朝刊  2面】 
          【化学工業日報 2012.12.17朝刊 10面】   
        【日刊工業新聞 2012.12.17朝刊 19面】“


”I−058.農研機構果樹研究所など13試験研究機関は、協力して、東日本大震災で被災した農業の復興に向け、宮城県内に現地実証圃(ほ)を設け、新品目・新品種と先端技術を組み合わせた先進的技術体系を構築する実証研究を進めている。早期の農業再生を目指し、定植後の未収益期間が短い樹種を選んで栽培技術をマニュアル化する。
           【日本農業新聞 2012.12.14朝刊 15面】“


”I−069.岩手県農業研究センター畜産研究所は、黒豚のパークシャー種を用いた試験で、飼料用米を多給することで食味の良い豚肉を生産できることを明らかにした。配合飼料の55%をトウモロコシなどから飼料用米に置き換えたところ、肉の食味低下に関係するリノール酸の割合が減った。 
          【日本農業新聞 2012.12.18朝刊 20面】“


”I−075.福岡県森林林業技術センターは、ヒラタケの菌床栽培で、培地に柿の剪定(せんてい)枝を使う栽培法を確立した。培養から発生まで殺菌や温度管理の必要がなく、野外でも発生させられるため特別な施設もいらない。ヒラタケの菌糸は低温でも成長するため、剪定枝が発生する冬から春に接種し培養できる。
         【日本農業新聞 2012.12.20朝刊 14面】“


”J−003.島根県水産技術センターは、海藻「ハバノリ」の生育を早め、これまで2月だった収穫時期を12月に前倒すことに成功した。同センター内の水槽でハバノリを発芽させる前に、生育を阻害する緑藻など雑藻類が生えないよう、海水に紫外線を照射。さらに、従来より人工光を当てる時間を短くし、水温を低く設定したところ、生育が早まった。
           【山陰中央新報 2012.12.27朝刊 22面】“


”J−006.(株)えひめ飲料は、ミカンに多く含まれる機能性成分のβクリプトキサンチン(βCRP)が従来の2倍、果汁100グラム当たり約15ミリグラム含まれる果汁原料を製造する新技術を開発した。遠心分離技術でβCRPを濃縮、含量が多い原料を抽出する方法を開発した。この原料を100%ジュースに加えて商品化した。
  【日本農業新聞 2012.12.29朝刊 11面】“







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