MICS NEWS Vol.13 Number 10

         3.技術・装置等の開発 … 生産技術、分析、医療・医薬 etc.

             


”J−030.北茨城市の大津漁協は、東京大学、古河機械金属(株)と共同で、魚を解体せずに放射性物質の濃度を測定できる機器を開発した。魚から出る放射線を外部でキャッチする仕組みを利用し、切り刻むことなく丸ごと検査できる。QRコード付きのタグを取り付け、コードを読み取れば、検査結果も見られる。 
            【産経新聞 2013. 1.15朝刊 25面】“


”J−035.島根県水産技術センターは、高級魚「アカアマダイ」の奇形の発生率を大幅に抑制する手法を確立した。餌に含まれる脂質が油膜となって水面を覆い、浮袋の形成に必要な酸素の取り込みを阻害していることが奇形の原因とみて、脂質を減らした餌に変更し、小まめな油膜除去にも努めた結果、奇形率は2%に減少した。
   【山陰中央新報 2013. 1.16朝刊 22面】“


”J−042.理化学研究所や山口大学は、共同で、野菜などにある健康成分で、硫黄を含む天然の代謝化合物を分析し、特定する技術を確立した。複数の分析技術を組み合わせた「S−オミクス」と名付けた統合技術で、植物の生体内代謝物を網羅的に解析するメタボロミクス手法をもとに、未知の機能性成分を高精度に効率よく見つけ出すことができる。 
          【化学工業日報 2013. 1.21朝刊  5面】“


”J−048.農研機構近畿中国四国農業研究センターは、牧草の中でライ麦がイノシシの採食被害を受けにくいことを突き止めた。5種類の牧草で試験をしたところ、イタリアンライグラスが甚大な被害に遭う一方、ライ麦の被害は半分程度だった。草種で被害程度に差が出るのは、イノシシは胃が一つしかないため消化のしやすさなどが原因になっているとみられる。 
          【日本農業新聞 2013. 1.25朝刊 14面】“


”K−001.宇都宮大学は、二酸化炭素濃度を高めた空間にイチゴの苗を置くことで、化学合成農薬を使わずに寄生虫の「ナミハダニ」を死滅させる方法を開発した。ナミハダニに過剰な二酸化炭素を取り込ませ、体内組織を弱酸性からアルカリ性に変えて死滅させる。ナミハダニは体長約0.5ミリで、イチゴの葉に寄生し生育を阻害する。
   【毎日新聞 2013. 1.28夕刊  8面】“


”K−002.千葉県農林総合研究センターは、ナシの栽培の新技術を相次いで開発した。開発したのは植物成長調整剤(植調剤)の活用による早期出荷技術や、ナシ果実に植調剤を処理することで品質を損なわずに日持ちを向上させる技術など。早期出荷技術は、千葉県が育種した品種「なつひかり」を対象としたもの。 
          【化学工業日報 2013. 1.29朝刊  4面】“


”K−008.千葉県農林総合研究センターは、イチゴの主要病害の遺伝子診断技術の開発について試験研究成果を発表した。従来の培養法などの診断技術だと、検査結果を得るのに早くて2〜4週間、長ければ1カ月以上かかったのに対し、新しく開発された遺伝子診断法では検査期間が炭そ病で3日間、萎黄(いおう)病で5日間ほどに短縮できたことを報告した。
           【日本農業新聞 2013. 1.31朝刊 13面】“


”K−011.広島県立総合技術研究所農業技術センターは、12月中旬に始まるハウスイチゴの収穫時期を早める「ポットレス」栽培法を開発した。「ポットレス培地」は用土やコケ、ポリエステル繊維などを加熱して固めたもの。直径約9センチの円柱形で、空気に触れる面はポット栽培の約5倍あり、水分が蒸発しやすい。 
         【中国新聞 2013. 2. 2朝刊 26面】“


”K−014.農研機構果樹研究所は、ブドウの花冠取り器を開発した。ジベレリン処理用のカップの上部に取り付け、満開時に行う1回目のジベレリン処理と同時に作業できるため省力的。処理直後から花冠(花かす)を落とし、灰色かび病の2次感染を防ぐ効果が高い他、さび果の発生を軽減できる。
           【日本農業新聞 2013. 2. 5朝刊 14面】“





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