MICS NEWS Vol.14 Number 3

         3.技術・装置等の開発 … 生産技術、分析、医療・医薬 etc.

             

”B−045.北海道大学とホクサン(株)は共同で、作物がウイルスや菌類などに感染しているかどうか遺伝子診断の技術を使って正確、容易に判定できる検査キットを開発した。現在の検査法より格段に短い期間で判定できるため感染の拡大防止に効果が見込める上、ほとんどの作物と病害にも応用できる。
            【北海道新聞 2013. 5.20朝刊  1面】“


”B−051.横浜市立大学と神奈川県農業技術センターは共同で、作物に突然変異を起こす簡便な手法を開発した。化学物質に種子などを浸し、遺伝子の変異を起こす。この手法で品種改良したサトウキビやオオムギは、収量が最大で2倍に増えた。化学物質は除草剤などに使われていた活性酸素発生剤を用いた。
           【日経産業新聞 2013. 5.23朝刊 11面】“


”B−052.奈良県農業総合研究センターは、野菜などの露地栽培向けに、目合いが0.4ミリ程度の微細な防虫ネットの簡易設置法を開発した。弾力性の高いポール(弾性ポール)を支柱に使う。目合いが細かいネットは雨風の抵抗を受けやすいが、支柱がしなって荷重を逃す仕組み。
           【日本農業新聞 2013. 5.23朝刊 16面】“


”C−001.兵庫県立農林水産技術総合センターは、酒米「山田錦」の田植えをする最適日を、田んぼ単位で予測できるシステムを開発した。温暖化の影響で、品質低下が問題となる中、生産農家に、きめ細かな作付けの指導や助言ができ、質の高いコメを安定して収穫できると期待される。 
             【神戸新聞 2013. 5.30朝刊 26面】“


”C−008.農林水産省は、イネの遺伝子研究の成果を活用し、交配によって全国の特産米に食味や収量など、各地のニーズに応じた有用な遺伝子を導入する新組織「育種支援センター」を、近く発足させる。従来では1つの品種改良に平均12年かかっていたが、3分の1に短縮できる。
             【朝日新聞 2013. 5.31夕刊  1面】“


”C−017.東京農工大学は青森県産業技術センター農林総合研究所、宮城県古川農業試験場と共同で、水稲のばか苗病対策で新しい防除法を開発した。フザリウム属菌の中から、病原性がなく同病の発病を抑制する菌を選び、出穂期から穂ぞろい期の間に稲の花に散布し、種もみ内で保菌させ次世代の発病を抑える。
           【日本農業新聞 2013. 6. 7朝刊 12面】“


”C−026.静岡県農林技術研究所は、軒高が低い園芸ハウス内の暑熱対策として、細霧冷房と換気扇を組み合わせた「フォグ・アンド・ファン」による冷房効果が高いことを確かめた。細霧を風の流れに乗せ、効率良く気化させて温度を下げる。真夏の試験では、遮光資材などによる暑熱対策に比べ2〜4度低く抑えた。
         【日本農業新聞 2013. 6.12朝刊 14面】“


”C−027.帯広畜産大学、東海大学、北海道立総合研究機構畜産試験場は共同で、牛の流産を引き起こす寄生虫「ネオスポラ」感染を、新型ワクチンで抑えることに成功した。この寄生虫は牛が流産する主原因とされる。過去に開発されたワクチンと異なり、寄生虫を死滅させる体の動きを活発にするのが特長で、効果が高い。 
       【北海道新聞 2013. 6.12朝刊 31面】“


”C−029.森林総合研究所が「青色発光ダイオード(LED)」照明を使ったキノコ栽培技術を開発し、シイタケやマイタケの収穫量増加などに成功した。マイタケやシイタケ、エノキタケでは収穫量が5〜20%増加。さらに、シイタケはかさが大きく肉厚に、エリンギやエノキは茎が太く、マイタケは色が濃くなった。 
          【東京新聞 2013. 6.13朝刊 24面】 
            【茨城新聞 2013. 6.14朝刊 18面】“


”C−030.農研機構果樹研究所は、ブドウ品種の着色に関与するミブ(myb)遺伝子には、塩基配列の異なる3種類のハプロタイプ(Hap=半数体の遺伝子型)があり、その組み合わせで果皮色が判別できることを明らかにした。発芽後の葉などでHapを遺伝子診断すれば、結実を待たずに品種特性が判断でき、畑を有効利用できる。
           【日本農業新聞 2013. 6.13朝刊 14面】“


”C−036.東京農業大学と(株)ヤナコ計測は共同で、飲料などから出てくる微量な香りの成分を高感度で検出し分析する技術を開発した。空気中に漂う香りを複数の分析装置を使って測定し、どんな分子が混ざっているかを従来の100倍以上の感度で突き止める。飲料製品の生産ラインでの不良品の検知や香料の開発などに応用できる。
  【日経産業新聞 2013. 6.17朝刊 11面】“


”C−037.奈良県森林技術センターは、通常はシイタケ栽培で使わない大径原木を高圧殺菌し、慣行と遜色なく栽培できることを確かめた。殺菌原木の木口面におがくず種菌を振り掛け培養すると、シイタケ菌がまん延しやすい。ほだ木表面や木口面に菌糸がまん延し、主に木口面からシイタケが発生した。 
          【日本農業新聞 2013. 6.18朝刊 16面】“


”C−039.農研機構北海道農業研究センターは、難防除害虫のジャガイモシストセンチュウ対策で新しい防除法を開発した。ジャガイモを作付けしない時期に、ジャガイモシストセンチュウのふ化を促進させる物質を畑に散布すると、ふ化しても寄主作物のジャガイモがないため栄養が取れず、同センチュウは餓死する。 
        【日本農業新聞 2013. 6.19朝刊 16面】“


”C−040.東京農工大学は農研機構生研センターと共同で、水稲苗に超音波を当てることで、稲がいもち病抵抗性を持つことを突き止めた。生研センターが開発した超音波照射装置を用いて試験した結果、育苗中に40キロヘルツの超音波を当てると、病斑数は無処理の半分になった。今後、抵抗性を得るメカニズムを解明し、病害を制御する技術の確立を目指す。
            【日本農業新聞 2013. 6.19朝刊 16面】“


"C−046.岩手大学は、ウイルスベクターという遺伝子導入手法を用い、リン ゴで播種(はしゅ)から1年以内に実をならせる育種法を開発した。リンゴ小球 形潜在ウイルス(ALSV)という病原性のないウイルスを遺伝子のベクター (運び屋)として利用。開花関連遺伝子をウイルスに連結し、このウイルスをリ ンゴの種子に接種する。
           【日本農業新聞 2013. 6.20朝刊 14面】 "


"C−048.早稲田大学は、食品の酸味成分であるクエン酸の濃度を短時間で測 定する技術を開発した。クエン酸と結合したたんぱく質に青色の光を当て、緑色 蛍光の強さで測る。細胞内の濃度も調べられ、従来15分程度かかった計測時間 が数秒で終わる。飲料などの食品を分析する方法として実用化を目指す。
           【日経産業新聞 2013. 6.21朝刊 10面】 "






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