MICS NEWS Vol.14 Number 11

         3.技術・装置等の開発 … 生産技術、分析、医療・医薬 etc.

             

”L−001.農林水産省は、遺伝子組み換えカイコを一般的な農家で飼育可能かを検討する隔離飼育試験を開始すると発表。検討されているのは、農業生物資源研究所が平成20年に開発したGFP遺伝子を導入した遺伝子組み換えカイコで、緑色蛍光シルク産出する。生物多様性影響評価検討会昆虫部会の最終審査で、一定条件下においては、生物多様性に悪影響が生じるおそれはないとの結論を得られた。
  【科学新聞 2014.2.14朝刊 2面】“


”L−003.政府は2014年度からファインバブルを活用した高効率な植物栽培技術の開発に着手。従来のウルトラファインバブルを使用し水耕栽培すると、植物が根から吸い上げる水分や養分が増加、果実が大きくなる事例が確認されていたが、それを科学的に証明する計測機器などが発達しておらず、仮説のままであった。計測技術の進歩に伴い、経済産業省と農林水産省の農工連携で本格的な技術開発に乗り出す。
  【日刊工業新聞 2014.2.17朝刊 26面】“


”L−012.千葉県農林総合研究センターは、平置きした30アール分のイネの育苗箱を加湿シートで被覆して苗を発芽させ、約10日間で乳苗を育苗する、省力的な乳苗育苗法とその本田栽培技術を確立したと公表。一般的な稚苗移植栽培に比べ、育苗にかかる労力、時間、場所などが少なくすることが出来る。 
【日本農業新聞 2014.2.22朝刊 12面】“


”L−013.農研機構生研センターとヤンマーグリーンシステム鰍ェ開発した、イチゴのパック詰めが素早くできるロボットが、JAさがのパッケージセンターで披露された。30個入りの平詰パックに1分以内に果実を並べることができ、手作業の約2倍の能力がある。ロボットは2011年〜13年度の農水省の農業機械等緊急開発事業(緊プロ事業)で開発された。
  【日本農業新聞 2014.2.22朝刊 15面】“


”L−015.岐阜県農業技術センターは、県特産の富有柿について、収穫時の果実のサイズは主に9月の平均気温に左右されることを明らかにした。9月が涼しいほど大玉果実の割合は高くなり、大玉の特級サイズ(L、2L、3L)の比率も実用レベルで予測が可能となる。収穫の1カ月以上前に販売戦略が立てられ、市場シェアの維持や単価の安定につながる。 
【岐阜新聞 2014.2.23朝刊 26面】“


”L−024.農研機構北海道農業研究センターは、メーカー間で異なっていた農機の通信制御方式を共通化する技術を開発。農機メーカーなどと共同で通信制御方式を共通化した電子機器や各種電子制御ユニット、共通リモートコントローラを実現。トラクターと各種作業機が簡単に接続できるため、経費節減や薬剤散布などの農作業の精度向上が期待されている。
  【化学工業日報 2014.2.27朝刊 6面】


”L−025.農林水産省は北海道、富山県、宮崎県、高知県、静岡県、兵庫県の全国6カ所で木質バイオマスなどのエネルギーを用いた「次世代施設園芸」の実証実験を3月末から開始。各地域にイチゴやトマトなどの植物工場と木質チップボイラ設備などを建設し、化石燃料の使用量や燃料費を30-50%程度引き下げる方法を研究。天候に関係なく野菜や果物を安定栽培できる次世代施設園芸で課題となるエネルギーコスト低減を狙う。 
【日刊工業新聞 2014.2.27朝刊 18面】
【化学工業日報 2014.2.27朝刊 6面】“


”L−031.岡山大学大学院と農業生物資源研究所は、ウシの人工授精の効率向上につながる研究成果を見出した。ウシが妊娠した時に、ホルモン分泌を司る内分泌器官である「黄体」の成長メカニズムを明らかにした成果で、この知見により従来困難だった黄体機能の人為的なコントロールが可能。人工授精は現在、ウシ生産でほぼ100%行われ、プロスタグランジン製剤の投与効果の高い技術開発が見込まれている。
             【化学工業日報 2014.3.4朝刊 10面】 
            【日本農業新聞 2014.3.4朝刊 14面】  


”L−038.福島県農業総合センター畜産研究所は、肥育豚の肥育全期間に給与する飼料トウモロコシの3割分を、粉砕したもみ米に置き換えても発育、枝肉品質に問題がないことを確認。全量トウモロコシを与えた肥育豚と比べて出荷日齢が早まる傾向で枝肉重量や、ロース芯などの品質に差はなかったとし、玄米に比べて乾燥が不要で保存性が良いもみ米で、養豚での需要拡大が見込めるとした
【日本農業新聞 2014.3.5朝刊 14面】“


”L−045.徳島県立農林水産総合技術支援センターは、コンタクトレンズ大手のメニコンと協力し、肉牛の人工受精卵の凍結保存技術の向上に取り組んでいる。培養中に上下の刺激を与える手法で、優良な受精卵の発生割合を、通常の2倍以上に引き上げることに成功。 
【徳島新聞 2014.3.4朝刊 6面】“


”L−047.静岡県農林技術研究所茶業研究センターは、適採前の約2週間、強い遮光をし、高級な「白葉茶(はくようちゃ)」を作る栽培法を開発。黒色寒冷しゃを3枚重ねにし、ほぼ100%遮光することで、葉色が黄白色の特徴ある茶葉になり、うまみ成分のアミノ酸含量は3倍程度向上する。
  【日本農業新聞 2014.3.6朝刊 18面】“


”L−054.農研機構・中央農業総合研究センターと同東北農業研究センター、森林総合研究所は、低濃度の放射能物質に汚染された作物や作物残さ、雑草、落ち葉などを乾燥・破砕・成型加工でペレットにする技術を開発。輸送や処理が進まなかったこれらの残さだが、容積が減ることで扱いやすくなる。ペレットの放射線量は問題ないレベルで、安定的に保管でき、固形燃料として活用が可能。
  【日本農業新聞 2014.3.11朝刊 20面】“


”L−057.農研機構畜産草地研究所は、放牧牛の繁殖管理を大幅に省力化できる繁殖プログラムを公開。ホルモン製剤による排卵の同期化処理をした上で、人工受精をする定時人工受精と、超音波診断装置を使った早期妊娠診断を組合わせることにより、労働時間の大幅な短縮と妊娠率の向上を実現。多数の放牧牛を管理する公共牧場向けに開発した技術で、一般農場での活用も可能。 
【日本農業新聞 2014.3.12朝刊 14面】“


”L−060.農研機構生物系特定産業技術研究支援センターは、空気使用量が少なく、電力消費量を従来と比較して半分に削除したニラの下葉除去装置を開発。既存の装置は、連続的に空気を噴射してニラの下葉を除去するが、農研機構の装置は、圧縮空気を間欠的に噴射することでエネルギー消費量を削減し、ニラへのダメージを減らし、下葉除去の成功率も向上。調製作業の効率化に貢献できる。
  【化学工業日報 2014.3.13朝刊 6面】


”L−062.福島県農業総合センター畜産研究所は、牛の体に含まれる放射性物質濃度を生きたまま測定出来る機器を開発。測定対象は繁殖用の雌牛で、原発事故後、検査態勢が確立されていない為、市場で取引できない状況であった。福島県家畜市場で13日、運用が開始。原発事故による風評被害を受ける県産牛の安全性を高めるため(独)科学技術振興機構の復興促進プログラムの採択を受け、民間企業と共同開発された。 
【福島民報 2014.3.13朝刊 3面】
【日本農業新聞 2014.3.14朝刊 9面】“


”L−068.日本製紙が持つ苗生産技術が生物多様性保全や苗木の増殖に役立っている。光合成が旺盛になる環境を作りだし、植物の光合成能力を最大限に引き出して発根を促す基礎技術を基に「実用に即した苗生産技術」で、農研機構野菜茶業研究所は、抗眼精疲労などが期待されるアントシアニンを多く含む茶固体の新品種開発に成功した。現在は「サンルージュ」としてドレッシングや飲料などへの商品開発に期待がされている。
  【日刊工業新聞 2014.3.14朝刊 15面】





もどる


(c)Copyright 2000 by Food Microscience Network
All rights reserved