MICS NEWS Vol.15 Number 4

         3.技術・装置等の開発 … 生産技術、分析、医療・医薬 etc.

             


”C−043.農研機構・畜産草地研究所などの研究グループは、世界で初めてガラス化保存した未成熟卵子から子豚を誕生させることに成功したと発表。受精能力を持たない未成熟卵子を保存状態から活性化させる最適な加温温度を突き止め、卵子の生存率をおよそ20%向上した。効率良く遺伝資源を卵子で保存でき、今後の改良に向けた育種素材の充実が見込めるという。
  【日本農業新聞 2014.6.17朝刊 14面】
【化学工業日報 2014.6.17朝刊 6面】


”C−048.物質・材料研究機構と理化学研究所は共同で、植物の細胞内のどこにセシウムが多く蓄積しているかを目で見て分かるようにする技術を開発したと発表。東京電力福島第一原発事故で土壌や水を汚染した放射性セシウムを効率よく吸い上げる除染用植物の開発につながる成果。高濃度の炭酸セシウムを含む培地で9日間成長させたシロイヌナズナの葉に、セシウムに付着すると発光する溶液を垂らし発光顕微鏡で観察した。 
【日本経済新聞 2014.6.17朝刊 14面】
【茨城新聞 2014.6.17朝刊 20面】
【日刊工業新聞 2014.6.18朝刊 30面】
【化学工業日報 2014.6.17朝刊 6面】“


”C−052.愛媛県農林水産研究所は、ネギやニラのえそ条斑病を引き起こすアイリス黄斑ウイルス(IYSV)を、ネギアザミウマが保毒しているかどうか、簡単に判定するマス(集団)検定法を開発。保毒虫をまとめて調べるため保毒率が低くても判定精度が高く、地域のIYSV侵入監視に役立つという。従来の1匹ずつ調べる固体検定法より作業率が向上する。 
【日本農業新聞 2014.6.19朝刊 16面】“


”D−001.岡山県農林水産総合センター農業研究所は、促成ナス栽培で光合成の盛んな日中に炭酸ガスを施用すると、果実の肥大が早まって増収し、品質も高まる事を明かした。特に全国の市場出荷量が減って高値になる冬期間(12〜2月)の収量は正常果が50%、上物は74%も増収。10アール当たり50万円程度の増収効果があると試算しているという。 
           【日本農業新聞 2014.6.20朝刊 16面】“


”D−008.三重大学大学院は、農業系廃棄物からバイオブタノールを前処理せず効率的に生産するシステムを開発。糖化と酵素をそれぞれ担う二つの微生物を利用し、ミカンなどの廃棄物を一つの容器内で完全糖化し、バイオブタノールに変換。これまでは前処理が必要な上、完全糖化は困難であった。農業系廃棄物を有効利用するシステムとして普及を目指している。
             【日刊工業新聞 2014.6.24朝刊 1面】“


”D−010.九州大学大学院は、DNAを15分程度で検出する方法を開発。誘電泳動インピーダンス計測法とDNA結合微粒子を利用。医療や食品分野における細菌やウイルスの検査での利用を見込んでいる。開発したのは細菌やウイルスのDNA検査に使われるDNAポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の後に行うDNA検出技術で、DNAを結合させた微粒子を誘電泳動で捕集する仕組み。 
           【日刊工業新聞 2014.6.25朝刊 25面】“


”D−011.家畜改良事業団は、ホルスタインの性選別精液を、新たに開発した「2層式新ストロー」で充填・保存・利用した場合、従来型のストローに比べて大幅に受胎率が向上することを実証したと発表。性選別精液は、受胎率の低さが課題だったが、この技術を使うと経産牛、未経産牛とも、受胎率が6ポイント向上した。性選別精液でも性選別をしていない従来型の精液ストローと同程度の受胎率が実現できたという。
            【日本農業新聞 2014.6.25朝刊 14面】“


”D−021.東京海洋大などの研究グループは、タイ国・バンコクで、養殖エビの感染症EMSのうちAHPND(肝すい臓壊死症)の診断法を確立したと発表。診断の回数を増やすことで、感染症拡散防止への道筋がつき、また同感染症の病原菌であるビブリオの中の原因遺伝子も解明。診断はDNAを増殖させるPCR法によるもので、廉価にで簡単なうえ、検査に要する時間も数時間と短く済む。
            【日刊水産経済新聞 2014.7.1朝刊 1面】“


”D−027.東京工業大学は、柔軟性が高く透明なバイオプラスチックを作る技術を開発。植物に含まれる「中鎖脂肪酸」をもとに大腸菌を作ってポリエステルを作成。大腸菌の中で、微生物が持つ特定の酵素が働くように工夫し柔軟性と透明度を高めたという。微生物でつくる従来のポリエステルは半透明で硬いなどの問題があったが、新技術でつくれば包装材料や添加剤など幅広く使える。企業と連携し5年以内の実用化を目指す。
             【日経産業新聞 2014.7.2朝刊 10面】“


”D−059.神奈川県農業技術センターなどは、果樹の複数の樹体を連続的に接ぎ木で連結する「樹体ジョイント仕立て」技術を開発。樹勢を均一化することで、栽培管理の省力化を実現。研究開発の成果はマニュアルにまとめられ、リンゴ、カキ、ウメ、ナシなどの主要産地で普及が期待されている。同センターのほかに、長野県、鳥取県、茨城県、愛知県、福岡県等の農業研究機関、筑波大学、農研機構果樹研究所による共同研究。 
【化学工業日報 2014.7.14朝刊 7面】“


”D−063.兵庫県立農林水産技術総合センター淡路農業技術センターは、タマネギの腐敗球を判別する装置を開発。タマネギ内部の腐敗は目で見ただけでは判別できない。開発した装置は選果ラインに設置し、非破壊で出荷時に判別できる。苦情の原因となる腐敗球を取り除く事ができ、販売時に品質の良さをアピールできる。判別は腐敗による変色に着目し、タマネギに近赤外線光を当て、透過する光の強さで判別する仕組み。
  【日本農業新聞 2014.7.15朝刊 16面】“


”D−071.高知県は、2013年度から各地で進めている新たな施設園芸システムの実証事業で、農業ハウス内の二酸化炭素(CO2)濃度を高めると、ナスやピーマンなどの収量が増加する成果が出たと高知市内での会合で発表。発表会に出席した生産者やJA関係者ら約140人が新たな環境制御技術への理解を深めた。
  【高知新聞 2014.7.16朝刊 4面】“


”D−078.農研機構畜産草地研究所と農業環境技術研究所は、水田周辺に設置した巣箱でミツバチが大量に死ぬ原因はイネに散布する農薬の可能性が高いと発表。この農薬はイネにつくカメムシなどの防除に使用。死んだミツバチを調べた結果、ネオニコチノイド系など2種類以上の殺虫成分が検出された。ミツバチが水田に来ないようにすれば被害を防げるとみており、関連技術の開発を進める方針。 
【朝日新聞(大阪) 2014.7.19夕刊 8面】
【日本農業新聞 2014.7.19朝刊 2面】
【日本経済新聞 2014.7.20朝刊 30面】
【日経産業新聞 2014.7.22朝刊 8面】
【化学工業日報 2014.7.23朝刊 5面】


”D−079.水産庁や沖縄県水産海洋技術センターなどは、2011〜13年度に実施した太平洋クロマグロのふ化直後の仔魚の分布を調査。八重山諸島から沖縄本島周辺の海域が主要な産卵場になっていることが分かった。日本海も主要な産卵場となっており、近年、北太平洋に生息するクロマグロの成魚が減少している中、各関係機関は調査結果を資源管理の強化につなげる考えという。
  【琉球新報 2014.7.20朝刊 5面】“


”D−082.水産総合研究センター増養殖研究所は、アサリの新たな養殖法を開発。カキ殻や砂利などを入れた網の袋で海中を浮遊する幼生と呼ぶアサリの赤ちゃんを捕まえ、ある程度育ってから籠に入れて筏から海中につるす。餌となるプランクトンが多い環境で育つ為、天然の1.5倍ほど早く成長。減少傾向が続くアサリの資源回復に役立つとみており、全国の漁業者に広める考え。 
            【日本経済新聞 2014.7.22朝刊 9面】“


”E−003.水産庁と北里大学は、生きたウナギが入った水から遺伝子を取り出し、種を判別する新技術の開発に成功。絶滅の危機にあるウナギの不適切な輸入を港や空港での検査で効果的に防ぐのが目的で、2015年度中に実用化のめどをつける。北里大の研究グループは、生きたウナギの入った水を特殊なフィルターに通し、体表の細胞を採取。特殊な液に溶かしDNAを解析する手法を使用した。
  【読売新聞(夕刊) 2014.7.28朝刊 1面】“


”E−009.株式会社フジキンは、マイクロナノバブルと呼ぶ微細な気泡を使い、キャビアがとれるチョウザメの成長を早める技術を開発。水の汚れを防ぎ、水に溶ける酸素濃度を高めることで、同じ期間で従来の1.5倍の大きさに成長。3〜4年後をメドに、茨城県つくば市にある自社の養殖場に導入するほか、関連する装置の外販も計画中という。 
【日経産業新聞 2014.7.31朝刊 10面】“






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