MICS NEWS Vol.15 Number 5

         3.技術・装置等の開発 … 生産技術、分析、医療・医薬 etc.

             


”F−034.島津製作所と大阪大学などと共同で、農作物や食品に残った農薬を低コストで検出できる手法を開発。液体と気体の性質を併せ持つ超臨界状態の二酸化炭素を活用することで、高価な試薬が不要となった。1回の検査にかかる費用を従来の約7分の1に低減でき、検出時間も半分の30分に短くなる。農業協同組合や食品メーカー向けに年明けにも発売予定。 
【日本経済新聞 2014.9.2朝刊 14面】“


”F−036.京都大学は、膜たんぱく質に蛍光色素で目印をつけるための分子ツールを開発。天然に近い環境下で画像化できるため、膜たんぱく質の細胞内での挙動や分析、疫病メカニズム解明に役立つと期待されている。研究は科学技術振興機構(JST)の課題達成型基礎研究(クレスト)の一環で、成果は米科学誌ケミストリー・アンド・バイオテクノロジー電子版に掲載された。 
【日刊工業新聞 2014.9.3朝刊 19面】“


”F−039.岡山大学大学院などの研究グループは、簡単にイチゴの品種を判定できる技術を開発。高価な分析設備や機器は不要。DNA増幅後、15分間の反応で判断でき、判定するヒトや場所を選ばす、税関検査やイチゴを使った加工食品の製造現場などでも導入しやすいという。盗用を防ぐなど、品種を守るための取り組みに活用できる。農林水産省の2012〜14年度「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」で開発した。
  【日本農業新聞 2014.9.4朝刊 18面】“


”F−042農林水産省は、農業分野におけるロボットの導入に向けた実証事業に、2015年度から踏み出す。ロボットメーカーや農機メーカー、農業法人、大学などから希望者を募り、実証実験を通じて低コスト化や使い勝手の向上、安全性確保などの課題を検証。農業従事者の平均年齢が67歳と高齢化が深刻化しており、重労働が農業からリタイアする主な要因の一つとなっているため、農業現場へのロボットの早期普及を目指す。 
【日刊工業新聞 2014.9.5朝刊 13面】“


”F−044.岡山大学は、転移性のDNA配列「レトロトランスポゾン」と次世代DNA解析装置(シーケンサー)を利用して、効率的に遺伝子を解析する技術を開発。解析が困難だった倍数体の多い染色体を持つサツマイモなどに有効で、食味が良く、病害虫に耐性のある品種などの開発に役立てることが見込まれている。
【化学工業日報 2014.9.8朝刊 6面】“


”F−054.農林水産省と復興庁は、被災地を農業の面から復興させようと宮城県山元町に、全国の20以上の機関やメーカーなどから研究員らを集め、被災農家に導入できる園芸技術の開発を進めている。農研機構野菜茶業研究所は、独立プランタ型栽培ベッドとクラウン加温装置を組み込んだ高設栽培システムの共通仕様を構築し提案。被災地に新たに設けたイチゴ暖地の中に導入してもらい、技術向上と高い収量性が期待されている。 
【日本農業新聞 2014.9.11朝刊 16面】“


”F−066.ケンブリッジ大学は、英国でのウシ結核の蔓延と管理に関する動的モデルについて報告。ウシ結核は、英国の畜産業界が直面している極めて複雑で持続的に論議されることの多い問題であり、推定年間1億ポンドの損失が生じている。英国の科学者らはこのほど、英国ウシ結核についての農場内伝播と農場間伝播とを組み合わせた動的、確率論的、空間的モデルを明らかにしたという。 
【科学新聞 2014.9.19朝刊 3面】“


”F−072.静岡大などの研究チームは、卵子に精子を人工的に注入する顕微授精による鳥類の孵化に、世界で初めて成功したと発表。顕微授精はヒトの不妊治療などで手法が確立されているが、卵が大きく授精の様式が異なる鳥類では成功例が無かった。同大の笹浪知宏准教授は「野生種が絶滅した国産のトキなどもクローンで復活できる」と話す。またこの研究を応用すると、遺伝的に優れた形質を持つニワトリの作成も可能となる。
  【産経新聞 2014.9.23朝刊 26面】“


”F−074.山梨大学は、無溶剤ナノファイバーを糸にする製造プロセスを開発。ナノファイバーでひもを結ったり、布を織る事が可能。表面積を保ったまま機械強度を高められるため、人工血管や縫合糸、高圧下の触媒担体基材などへの応用ができるとし、3年以内の実用化を目指している。 
【日刊工業新聞 2014.9.25朝刊 27面】“


”G−008.三重県農業研究所紀南果樹研究室では、温州ミカンの樹の周囲にミカン糸を張りめぐらせ、ヒヨドリの食害を7〜8割減らせる技術を開発。中古の釣りざおなどを利用すれば、1樹当たり3分前後で設置可能。糸の量はヒヨドリの飛来数によって調節。果実への袋かけや樹をネットで覆うなどの対策と比べ安価で手間が掛からず、収穫後は糸を簡単に除去できるのがメリット。
  【農業共済新聞 2014.10.1朝刊 9面】“


”G−011.京都大学は広島大学と共同で、電気パルスで受精卵に微小穴をあけて遺伝子を導入する遺伝子改変ラットの作製法を考案。多くの動物種の受精卵に応用可能で、短期間で遺伝子改変動物を準備できるため研究の効率化につながるという。成果は英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に掲載。
  【日刊工業新聞 2014.10.2朝刊 19面】“


”G−018.和歌山県畜産試験場と近畿大学生物理工学部は、高齢のため繁殖が難しい雌牛から、子牛を効率的に生産する技術開発に成功。優良な肉質の遺伝子能力を持っていても、生かすことが難しかった高齢雌牛の能力を有効に利用できる。試験場は早ければ来年度から実用化したい考えで、県産黒毛和種「熊野牛」のブランド強化につなげたいとしてる。
  【紀伊民報 2014.10.3朝刊 15面】“


”G−019.埼玉大学は、栽培するトマト、アセロラなどの野菜や果物の状態を正確に診断できる技術を開発。茎の中で空気の粒が生まれるのを小さな超音波センサーでとらえ、与える水や肥料の量を精密に調節するもので、ミニトマトの水耕栽培実験では肥料の量を半分以下にできた。3年後の実用化を目指している。
  【日本経済新聞 2014.10.7朝刊 16面】“


”G−021.米ボストン・ストラテジクスは、遺伝子組み換えたん白質の生産効率を大幅に向上させる技術を開発。同社が見出した遺伝子を既存の生産方法に組み替える事で、標的とするたん白質の産生量を大幅に増やせる。抗体医薬やFC領域を融合した遺伝子組み換えたん白質など、生産が難しいとされてきた、たん白製剤も高効率で生産できることを確認。大幅なコスト削減が可能とみて実用化に向けライセンス活動を本格化する。 
【化学工業日報 2014.10.7朝刊 1面】“


”G−024.鳥取県畜産試験場は、濃厚飼料の4割を粉砕したもみ米に置き換えて黒毛和牛を肥育すると、肉に含まれる旨み味成分のオレイン酸が増えることを実証。米を給飼した牛のオレイン酸の平均含有率は56.1%と、濃厚飼料だけで飼育するより約2ポイント高かった。コメを混ぜた餌は食い込みが良く、脂肪酸組成にうまく影響したとみており、また飼料コストも低かったという。
  【日本農業新聞 2014.10.8朝刊 16面】“


”G−030.東京ガスと東京大学は、藻類からバイオマス燃料油を効率的に抽出する技術を確立。従来は藻類を一端乾燥させ油分の炭化水素をとりだしていたが、これを低温の加熱処理に置換えられることを発見。抽出に必要なエネルギー量を半減できる。さらに抽出残さを発酵させ、発生したメタンガスを燃料に熱電併給することでエネルギー効率を、一層高めることに成功。今後はコスト削減等に努め、航空機燃料への適用を目指す。 
【日刊工業新聞 2014.10.13朝刊 1面】“


”G−034.宮城県農業・園芸総合研究所が2011年、着色途中のカラーピーマンに人工光を当てることで、着色を促し出荷可能な色にまで追熟させる「光照射追熟技術」を確立。これを機に、この追加技術の研究が進み、13年までの3年間、農水省の事業で技術の確立を図った。農研機構野菜茶業研究所が、各機関の研究成果をマニュアルにまとめ、今年度中に公開する予定。出荷ロスが軽減でき、1〜2割程度の増収が見込める。 
【日本農業新聞 2014.10.15朝刊 16面】“






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