MICS NEWS Vol.15 Number 7

         3.技術・装置等の開発 … 生産技術、分析、医療・医薬 etc.

             


”I−005.農研機構果樹研究所は、渋柿「太月」「太天」に粉末アルコールの入った袋付きの専用シールを貼るだけで脱渋できる方法を考案。第一包袋と共同開発した「貼り付け式樹上脱渋法」で、炭酸ガス脱渋よりパリパリした食感になるという。現行の固形アルコールを入れたポリ袋を果実にかぶせる樹上脱渋法は、生産者の労力負担が大きく、特に両品種は極大果のため、脱渋がかだったが、シールにすることで手間が省ける。 
【日本農業新聞 2014.11.24朝刊 1面】“


”I−006.高知県農業技術センターは、二酸化炭素を施設内に施用すると、促成ナスの品質向上や増収に効果があることを確認。10アール当たり約20tを収穫し、販売果の割合が3割向上。特に単価の高い冬に効果が高く、売り上げを高める技術として注目されている。今後は、二酸化炭素の効果を一層高めるため、最適な濃度を検討する他、温度やかん水と組み合わせた効果を調査していく。 
【日本農業新聞 2014.11.25朝刊 14面】“


”I−007.広島大学と農業生物資源研究所などは、有用な遺伝子を高効率で正確に導入する技術を開発。カイコに導入する場合、効率が従来の約100倍に。カイコを使って医薬品の原料を作れば、生産量が大きく増えるほか、人間の病気を発症するモデル動物の作製にも役立つとみている。新技術はゲノムを切断する人工酵素や生物に備わっているDNAを修復するメカニズムを活用。 
【日本経済新聞 2014.11.25朝刊 11面】
【化学工業日報 2014.11.25朝刊 5面】
【茨城新聞 2014.12.1朝刊 18面】


”I−017.近畿大学とパナマ政府は、キハダマグロの完全養殖に向けた共同研究で、卵から稚魚に成長させることに成功したと発表。稚魚への成長は、研究において最大の難関とされていた。来年にも成魚まで成長させ、完全養殖の実現を目指すという。成功すれば、2002年に近畿大学が日本で達成した世界初のクロマグロの完全養殖に続く快挙になる。 
【読売新聞 2014.11.28夕刊 3面】
【読売新聞(大阪) 2014.11.28夕刊 3面】“


”I−026.農研機構果樹研究所は、かんきつ類の重要病害、カンキツグリーニング病を素早く、簡便に検出する新たな診断法を開発したと発表。低コストに、感染疑いがある多数の植物を従来法の3倍以上のスピードで速やかに診断できるため、まん延防止に向け多数の検体を調べる事ができ根絶事業進むと期待されている。 
【日本農業新聞 2014.12.4朝刊 14面】
【化学工業日報 2014.12.4朝刊 4面】


”I−036.慶応大学発ベンチャーのスパイバー株式会社は、人工クモ糸を開発。強度や伸縮性、耐熱性で化学繊維をはるかにしのぐ次世代バイオ素材。クモの糸を人工合成し繊維にする技術を確立。量産に乗り出す。衣類や人工血管、航空機、自動車などに応用でき、人工素材の新たな世界標準を目指すとし、実用化に向け、自動車部品会社「小島プレス工業」と協力し、9月に新たな試験研究棟を着工したという。
【読売新聞 2014.12.7朝刊 6面】“


”I−045.千葉県農林総合研究センターは、ネギべと病の遺伝子診断法と防除支援情報システムを開発。ネギべと病は、初期症状では他の病害と見分けにくいという。PCRと呼ばれる遺伝子増殖法で病原菌に特徴的なDNAを増やすことで、約1日でべと病の診断が可能となる。また、防除支援情報システム「ネギべと病なび」は、薬剤防除の要否やタイミングが容易に判断できるように、感染危険日を視覚化。今年度中に公開予定。 
【日本農業新聞 2014.12.10朝刊 12面】“


”I−054.豊橋技術科学大学や企業らが参加し施設トマト栽培の高収量を研究するIGHプロジェクトは、国産品種で初めて、年間の10アール収量50トンを達成。環境や養水分管理をコンピュータ制御にし、二酸化炭素施用や気化熱を利用した温度管理システムなど最新鋭の設備を導入。空調管理や生育のモニタリングを徹底し、日射量の多さを生かし、高収量を実現。今後3年間でマニュアル化を目指すという。
  【日本農業新聞 2014.12.12朝刊 1面】“


”I−063.愛知県農業総合試験場は、養液栽培で発生する高温性水媒伝染病害を高感度に診断する検出法を開発。開発された検出方法は最短1時間で病原菌を検出することができ、栽培現場でも利用することができるという。一連の成果は、共同研究相手である岐阜大学がマニュアル化しており成果の普及により、農業生産現場での生産性の向上などが期待されている。 
【化学工業日報 2014.12.17朝刊 6面】“


”I−064.農研機構東北農業研究センターや東京農業大学などの研究機関は、製鉄の過程で発生する石灰資材の転炉スラグを土壌に施用し、pH7.5を目標に矯正すると、ホウレンソウ、レタス、イチゴ、セロリでフザリウム性土壌病害の被害を軽くできることを明らかにした。耐病性品種、育苗方法、太陽熱消毒との併用効果や粒状より粉状の製品が効果的だったことも判明。同センターは来年2月にマニュアルを公表する予定。
  【日本農業新聞 2014.12.17朝刊 14面】“


”I−066.営農型発電を進めるソーラーシェアリング協会と東京大学は共同研究で、太陽光パネルの下でアシタバを栽培すると、シャネツで減収せず、むしろ大幅に増収することを確認。営農型発電に取り組む農家などに対し、申請時に必要な資料を提供し、営農型発電とアシタバ栽培を推進。既にアシタバの導入準備を始めた農業参入企業もあるという。
  【日本農業新聞 2014.12.17朝刊 14面】“


”I−080.農研機構・東北農業研究センターは、有用微生物を使う生物的技術、化学物質のプロベナゾールを使う化学的技術、土壌pHを矯正する耕種的技術の3つを組み合わせ、土壌伝染病の発生を抑制する育苗技術を開発。育苗段階で処理するので、従来の本圃での防除技術より労力や手間がかからず、簡単で効果も長続きし、環境にも優しく資材も少量で済むという。 
【日本農業新聞 2014.12.25朝刊 16面】“


”I−081.農業生物資源研究所は、イネを対象に不要な塩基配列を残すことなく遺伝子改変する技術を確立。昆虫由来の動く遺伝子といわれている「トランスポゾン」を用い、目的遺伝子が導入されたイネの選抜の「目印」として使うマーカー遺伝子を取り除く事ができる。効率的な遺伝子組み換え育種につきものだった足跡が残ることなく、目的とする遺伝子の導入だけの変異にとどめることが可能となった。 
【化学工業日報 2014.12.26朝刊 3面】
【日本農業新聞 2014.12.26朝刊 16面】







もどる


(c)Copyright 2000 by Food Microscience Network
All rights reserved