MICS NEWS Vol.15 Number 8

         3.技術・装置等の開発 … 生産技術、分析、医療・医薬 etc.

             


”K−051.農研機構・東北農業研究センターと岩手県農業研究センター畜産研究所は、寒さに強い牛の特性を生かし、寒冷地でも黒毛和種繁殖雌牛を、冬期に屋外で飼養できることを明かした。寒さの中でも牛はリラックスし、病気への抵抗性は屋内と差が無かったという。繁殖成績や子牛の成長にも大差は無く、屋外飼育は作業時間が半分以下と省力的で、畜舎を増やさずに低コストで規模を拡大することができる。 
【日本農業新聞 2015.2.18朝刊 14面】“


”K−055.フタバ産業はハウス栽培で冬季の夜間に稼働する加温機から発生する排ガスを浄化・貯留し、作物の光合成に必要な二酸化炭素(CO2)のみをハウス内に還元して濃度をコントロールするシステムを開発。奈良県農業研究開発センターと共同で実証実験を進めており、作物の成長率が4割向上する効果を見込んでいる。試験結果が明確になる5月以降に販売計画や価格、量産規模など詳細を詰める方針。
  【日刊工業新聞 2015.2.19朝刊 6面】“


”K−056.長崎県総合水産試験場と長崎大学などは、魚のおいしさの目安となる脂肪の含有率を測定する装置を開発。魚は身に含まれる脂肪の割合により美味しさが異なり、ブリなら20%程度が刺し身向きで、20%超になると焼き魚にするのがおすすめという。装置は脂肪の含有率を5秒以内に割り出す仕組みで、ブリやマグロ、サバなど6種類の魚で測定可能。測定機器は一般向けに計測機器メーカー大和製衡より販売されている。 
【報知新聞 2015.2.19朝刊 19面】
【山梨日日新聞 2015.2.19朝刊 26面】“


”K−059.和歌山県畜産試験場と近畿大学は、高齢などを理由に妊娠が難しい雌牛でも効率的に子牛生産ができる方法を開発。卵子採取前のホルモン処理と、独自の卵子培養技術を組み合わせ、体外受精で成功。現在、県内繁殖農家で実証実験し、4月以降、開発した技術を使用し、農家が飼う牛の卵子を体外受精したり、受精卵の販売を開始する計画をたてている。 
【日本農業新聞 2015.2.20朝刊 16面】“


”L−003.北海道立総合研究開発機構と農研機構は共同で、ダイズ栽培で収量を確保しながら、リン酸施肥量3割削減できる新しい栽培技術を確立。ダイズの根に共生し、リン酸を土壌から吸収促進する糸状菌の一種の機能を科学的に立証した。この効果を効率的に利用するためにはダイズの前に栽培する作物としてコムギ、ジャガイモなどの同糸状菌と共生できる作物を選ぶ必要があるという。 
【化学工業日報 2015.2.23朝刊 6面】


”L−005.NTTは、レーザー光を使用したガスセンサーで農産物や加工品などの産地偽装を簡単に見分ける技術を開発。農作物に含まれる水の組成を調査。3〜5年後には産地の認証サービスとして実用化を目指している。新技術は、農産物を過熱し出てきた水蒸気をセンサーで調べ、産地を推定。実験では日本やチリ、カリフォルニア産のレモンの果汁を見分けられたという。 
【日本経済新聞 2015.2.24朝刊 16面】“


”L−007.龍谷大学は、酵母を使い付加価値の低いバイオマス原料から油脂を生産する技術を開発。食品廃棄物とロドスポリディウムトルロイデスという酵母を用いて油脂を作る仕組みで、生産される油脂はオレイン酸が中心で、バイオ燃料や工業製品の油脂原料として使用できる。生産油脂は抽出が煩雑でコストもかかり、産業利用のボトルネックになっていたが、抽出プロセスを簡略化することが出来る技術として実用化を目指す。 
【化学工業日報 2015.2.26朝刊 4面】“


”L−012.沖縄県科学技術大学院大学などの共同研究グループは、糖や脂肪の吸収を遅らせ、生活習慣病の予防につながる開発中の「難消化米」の苗の試験栽培を開始。収穫が成功すれば、2016年度中の品種登録を目指すとし、「県内の農家に作ってもらい競争力を高め、収益を上げる仕組みにつなげたいとしている。研究は県知的・産業クラスター形成推進事業の一環で行われている。 
【沖縄タイムス 2015.2.27朝刊 8面】
【琉球新聞 2015.2.27朝刊 5面】“


”L−014.山形県農業総合研究センターは、気象庁が開催した気象情報産業利用に関する発表会で、水稲の刈り取り適期予測に積算温度の予測値を活用して精度を上げた例を報告。気象庁が発表している過去30年間の日平均気温の平年値から算出した積算温度と、1カ月予報などの今予想情報を基にした積算温度の刈り取り適期を比較し、その年の気温予測情報から割り出した適期の方が、精度が高いことを明らかにした。 
【日本農業新聞 2015.3.3朝刊 16面】“


”L−015.農業環境技術研究所は、人の健康診断に代表される予防医学の発送に基づく新しい土壌伝染性病害の管理方法「ヘソディム」を開発。農林水産省委託プロジェクト研究などの枠組みで取り組まれたもので、従来の土壌物理化学性の評価に加えて、土壌DNA解析による生物性の評価を活用して土壌を診断し、畑に作物を栽培したときの発病しやすさを3段階で総合的に評価したうえで、レベルに応じた対策を提案するという。 
【化学工業日報 2015.3.5朝刊 6面】
【日本農業新聞 2015.3.5朝刊 16面】


”L−027.ジーテック株式会社と理化学研究所は、簡単に低コストで食品の放射能を非破壊測定できる機器を開発。検出部に成形しやすいプラスチックシンチレ―ター(PS)を採用し、円筒形に配置するなどの工夫を加えたという。放射性セシウムの放射能を高感度、大面積に測定可能。今月21日から早稲田大学で開かれる、日本物理学会第70回年次大会で公表する。 
【化学工業日報 2015.3.11朝刊 6面】
【日経産業新聞 2015.3.12朝刊 10面】“


”L−029.大阪府立大学大学院は、セルロースやでん粉などから分解される糖類を使い、プロピレンの前駆物質となるプロパノールを効率よく合成する技術を開発。すでに開発されている発酵技術に比べて糖類からの収率が約1.5〜2倍に高まることを確認。同じ量の原料糖からより多くのプロパノールが得られることになり、原料コストの削減が期待できるという。 
【化学工業日報 2015.3.12朝刊 4面】“


”L−030.静岡県農林技術研究所茶業研究センターは、茶園の地形や気象情報、気温の積算値から、萌芽日や摘採日の目安を計算するシステムを開発。2015年度から現地検証を開始。これまでは農家が生育の様子や経験から摘採日を決めていたが、目安を示すことで、茶園の大規模化が進んでも、高品質の茶を生産できる体制を整えるという。研究は「攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業」の一環。
  【日本農業新聞 2015.3.13朝刊 14面】







もどる


(c)Copyright 2000 by Food Microscience Network
All rights reserved