MICS NEWS Vol.12 Number 1          5.生体機能 … 機能の発見、製品開発 etc.
             

"L−006.理化学研究所、近畿大学、京都大学は共同で、夜明けの光が照り始める時間が早まることで、生物が春の訪れを感知する仕組みの解明と、夜明けが早まると働く遺伝子「Eya3」を見いだした。 
             【茨城新聞 2011. 2.21朝刊 21面】
             【東京新聞 2011. 2.21朝刊 22面】

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"L−008.富山大学と東京大学は、ホタルが持つ発光タンパク質を使い、記憶を形成する脳の働きを解明する研究に取り組んでいる。脳の記憶形成に関係するタンパク質「アクチン」と、発光タンパク質を融合させたタンパク質を開発し、細胞実験で結合時の発光を確認した。今後、動物実験で記憶と脳の関係を調べる計画。 
         【富山新聞 2011. 2.22朝刊 27面】

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"L−010.森林総合研究所九州支所は京都大学と共同で、絶滅の恐れがあるとされ、阿蘇草原の数カ所にしか自生していない植物「ハナシノブ」の調査結果を明らかにした。コマルハナバチなどのハナバチ類がハナシノブに集まり、花を咲かせる他の植物の種類が多いほどハナシノブに集まる昆虫の数や種類が多いことが明らかとなった。
        【熊本日日新聞 2011. 2.22朝刊 22面】

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"L−012.東京農業大学と名古屋大学は、日本在来種の「口之島牛」のゲノムを解読した。西洋で広く飼育されている肉牛のヘレフォード種のゲノムと比較したところ、塩基配列が630万箇所で違いがあったことを明らかにした。純粋な牛の在来種のゲノムを解読したことで、種の保全や肉質の改良などに役立つとして期待される。 
         【日経産業新聞 2011. 2.23朝刊  7面】

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"L−016.東海大学と熊本県農業研究センターは共同で、昆虫の体内に多く存在する炭素鎖14の長鎖アミノアルコール「スフィンゴシン」が、天敵糸状菌の発芽を促進する物質であることを突き止めた。微生物農薬として使われる「天敵糸状菌」の防除効果促進剤として利用すれば、15時間程度で緑きょう病菌を発芽させることができ、無処理と比べて発芽誘導期を約半分に短縮可能。 
           【化学工業日報 2011. 2.24朝刊  4面】

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"L−018.水産総合研究センター東北区水産研究所と東京大学などは、ハワイ北方の海面が風で数センチ上昇する現象が起こると、4年後にマイワシの繁殖率が日本近海で激減する恐れがあることを突き止めた。この現象は、マイワシが激減した90年前後を含め、その後も複数回起きていることを確認した。 
             【朝日新聞 2011. 2.21夕刊  1面】

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"L−019.広島大学は、皮膚が半透明で内臓や血管が透けて見え、本州や四国、九州に分布するニホンアカガエル「スケルピョン」の量産に成功した。解剖の必要がなく、殺さずに幼生から生涯にわたり体内を観察できる。小中学校向けの教材や動物実験材料などでの利用も。 
             【朝日新聞 2011. 2.21夕刊 16面】

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"L−023.静岡大学は、芝の成長にキノコの菌糸が関係していることを突き止めた。コムラサキシメジの菌糸の抽出液を与えた芝から、芝の成長を促す物質「2-アザヒポキサンチン(AHX)」と、芝の成長を抑制する物質「イミダゾール-4-カルボキシアミド(ICA)」を見いだした。ポット栽培したイネにAHX水溶液を与えると、数量が増加し、低温や病気の耐性に耐性を示す遺伝子の発現量も増大した。ICAでも増収が確認され、農業への応用が可能なことも明らかにした。
           【読売新聞 2011. 2.24夕刊 10面】

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"L−026.東京大学は、ムギネ酸を土壌に分泌するために働き、根から鉄を体内に吸収するタンパク質「TOM1」をイネと大麦から見いだした。また、「TOM1」は細胞膜に存在し、ムギネ酸の通り道になることも明らかにした。「TOM1」を作る遺伝子を利用すれば、鉄の欠乏を防ぎ貧血を抑制するイネなど、アルカリ土壌耐性作物の作出が期待できる。 
           【日経産業新聞 2011. 2.25朝刊  8面】
           【日刊工業新聞 2011. 2.25朝刊 24面】

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"L−029.東京大学医科学研究所と明治大学は、クローン胚を利用して、生まれつき膵臓ができないブタの体内で、大型動物では初めて完全な膵臓を作ることに成功した。
          【毎日新聞 2011. 2.27朝刊 26面】

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"L−037.京都大学は、1954年から56年間1300世代以上にわたり暗闇でショウジョウバエを飼育し、光のない環境が進化にもたらす影響の調査で、体内時計の働きにより約24時間周期で生物に生じる「概日リズム」が、長い世代を経ても狂わずに機能していることを明らかにした。 
             【毎日新聞 2011. 3. 1朝刊 27面】
           【日経産業新聞 2011. 3. 1朝刊  9面】

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"L−051.フランスなどのチームは、マウスを使った実験で、ビフィズス菌などの腸内細菌が免疫に攻撃されない仕組みを明らかにした。 
             【朝日新聞 2011. 3. 4朝刊 33面】

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"L−054.セーレン(株)と福井大学は共同で、繭を精錬する際に取れるタンパク質「セリシン」を使った幹細胞の冷凍保存液を開発した。既存の保存液と比較して、安定して幹細胞を保存できる。 
           【日経産業新聞 2011. 3. 4朝刊 11面】

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"L−067.キッコーマン(株)は、野田産業科学研究所、東京大学、東京工業大学と共同で、醤油や味噌の醸造に適している麹菌「アスペルギルス・ソーヤ」のゲノムを解読した。ゲノムサイズは約3900万塩基対。 
           【日刊工業新聞 2011. 3. 8朝刊 13面】
     【フジサンケイビジネスアイ 2011. 3. 8朝刊  9面】
           【日経産業新聞 2011. 3. 9朝刊  7面】
             【食品新聞 2011. 3.11朝刊  4面】

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"L−073.名古屋大学は、植物の免疫応答の仕組みを解明した。タンパク質「WRKY型転写因子」のアミノ酸配列から、同因子が結合するDNA配列を検索して、抗菌物質「ファイトアレキシン」の生成に関わるDNA配列と結合することを突き止めた。結合すると、そのDNA配列と遺伝子が「ファイトアレキシン」を生成し、免疫応答を示すことが判明した。 
           【日刊工業新聞 2011. 3. 9朝刊 25面】

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"L−075.理化学研究所と産業技術総合研究所は、植物がカルスを形成するときに働く転写因子「WIND1」を見いだした。細胞分裂を進める植物ホルモンへの応答性を高め、組織培養法による植物の増産や有用物質の効率生産などへの応用が期待される。
         【化学工業日報 2011. 3.11朝刊  1面】
             【科学新聞 2011. 3.18    2面】

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"L−076.名古屋大学は、被子植物の雌しべの中で起こる受精の瞬間をレーザー顕微鏡で撮影することに成功した。2個並んだ精細胞が花粉管から勢いよく放出され、約8秒で卵細胞と中央細胞に挟まれた場所に送り込まれ、そこで約7分間とどまった後、2個の精細胞が1個ずつ卵細胞と中央細胞に運ばれる様子が観察できた。
         【日刊工業新聞 2011. 3.11朝刊 20面】
             【東京新聞 2011. 3.11朝刊  3面】

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"L−078.日本原子力研究開発機構と産業技術総合研究所は、寒冷地に生息する魚が、凍結から守る不凍タンパク質の仕組みを明らかにした。タンパク質の表面を中性子線で観察し、通常の水とは性質の異なる「水和水」の役割が、凍りにくさに影響していることが判明した。食品などの鮮度保持に役立つ可能性があるとして期待される。
         【日経産業新聞 2011. 3.11朝刊  9面】

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"L−089.理化学研究所と筑波大学は、病害虫や干ばつ、塩害など植物のストレス応答に関わる活性酸素生成のシグナル伝達経路に、タンパク質リン酸化酵素の一つである「MAPK」が、関与していることを突き止めた。
             【科学新聞 2011. 3.25    2面】

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"A−005.理化学研究所、大阪大学大学院は、細胞中の小さな分子の動きを小さなタグを付けて観察することに成功した。生きた細胞で薬などの動きを観察する技術につながるものと期待される。
             【科学新聞 2011. 4. 1    4面】

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"A−019.住友林業(株)は、樹齢300年と伝えられる東京都で最高樹齢の桜「祐天桜」の苗木を、独自のクローン技術で増殖することに成功したと発表した。森林総合研究所のデータベースなどに登録されてある品種とはDNAが合致していない。ヤマザクラ系とエドヒガン系の桜が交配して誕生した品種と推測され、新品種の可能性がある。
         【静岡新聞 2011.4.12朝刊  6面】
          【日刊建設工業新聞 2011.4.13朝刊  4面】

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"A−020.千葉大学は、植物が明るいところで生長するメカニズムを解明したと発表した。光の当たった植物が光合成する際、葉緑体がMPという物質を放出し、MPには細胞核のDNAを複製する役割があることを突き止めた。英国の科学雑誌「ネイチャーセルバイオロジー」の電子版に掲載された。
              【東京新聞 2011.4.13朝刊 21面】

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"A−022.基礎生物学研究所と大阪大学は、動物プランクトンである「オオミジンコ」で雄と雌を決める仕組みを解明した。雄だけで強く働く遺伝子を発見。同遺伝子が働くと雄に、働かないと雌になることを突き止めた。動物が持つ性決定の仕組みの解明が期待できる。成果は米科学誌プロスジェネティクス3月号に掲載された。
           【日刊工業新聞 2011.4.13朝刊 17面】

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"A−023.名古屋大学生物機能開発利用研究センターは、植物にストレスがかかる環境下での生育に必要な要素を特定した。イネを用いた実験で、タンパク質のRSSIが機能するかしないかが、ストレス環境で生育に欠かせない細胞分裂の維持に関わることが分かった。植物のストレスへの耐久性を高めるための仕組みの解明につながり、ストレスに強い作物の開発への応用が期待される。
 【日刊工業新聞 2011.4.13朝刊 17面】

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"A−026.(株)ジナリスは、フェノール類の微生物生産法を確立した。同社が確立したのは、遺伝子組み換え大腸菌に原料のテレフタル酸を与え、没食子酸(ガレート)を生産させる微生物反応。微生物生産は化学合成と違い、純度の低いテレフタル酸も利用でき、PETリサイクルと組み合わせられると期待している。
            【日刊工業新聞 2011.4.15朝刊 21面】

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"A−027.キッコーマン(株)は、野田産業科学研究所、東京大学、東京工業大学と共同で、麹(こうじ)菌「アスペルギルス・ソーヤ」のゲノム解析に世界で初めて成功した。これにより、しょうゆやみその生産効率を上げたり、味や香りを改良させるのに役立つ情報が得られるようになるといい、同社の商品製造などに解析結果を活用したい考え。
          【千葉日報 2011.4.15朝刊  4面】

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