MICS NEWS Vol.12 Number 5
          5.生体機能 … 機能の発見、製品開発 etc.
             

”D−060.自然科学研究機構生理学研究所は、脳神経のもととなる神経幹細胞が作られる詳細なメカニズムを突き止めた。特定の遺伝子の働きを抑え込むDNA(デオキシリボ核酸)のメチル化という化学作用を解除する「脱メチル化」と呼ばれるシステムが存在し、幹細胞への成長を促していた。
            【日経産業新聞 2011.7.19朝刊 10面】

”D−061.東京大学は、東北大学との共同研究で、イネが土壌から吸収し、細胞壁に沈着している鉄を溶かして有効利用する際に欠かせない遺伝子を突き止めた。この遺伝子が強くなるよう改良すると、アルカリ性が強くて植物が育ちにくい土壌でもイネがよく育つことも確認した。
            【日経産業新聞 2011.7.19朝刊 10面】
            【化学工業日報 2011.7.25朝刊  9面】

”D−067.沖縄科学技術研究基盤整備機構は、サンゴの全遺伝情報(ゲノム)を、世界で初めて解読した。地球上にサンゴが登場した時期は、化石の研究による推定よりも2億年以上さかのぼることが分かった。サンゴの仲間が進化の過程でイソギンチャクと枝分かれしたのは約5億年前と判明した。
              【毎日新聞 2011.7.25朝刊  4面】
            【日経産業新聞 2011.7.25朝刊 11面】
              【産経新聞 2011.7.25朝刊 24面】
            【日本経済新聞 2011.7.25朝刊 38面】
            【化学工業日報 2011.7.25朝刊  1面】
            【沖縄タイムス 2011.7.25朝刊  1面】
              【琉球新報 2011.7.25朝刊  1面】
              【朝日新聞 2011.7.25夕刊  2面】
              【読売新聞 2011.7.25夕刊 12面】

”E−004.東京大学は、ミドリムシなどの単細胞緑藻類が泳ぐ方向を酸化・還元反応を使って制御できることを明らかにした。この技術を応用すれば、遠心分離機やポンプなどの装置を使わずに緑藻類を簡単に分離・濃縮でき、将来のバイオ燃料の生産などが見込める。
           【日経産業新聞 2011. 7.20朝刊  8面】

”E−007.東京大学と米ケンタッキー大学は、特殊な藻類が高熱量のバイオ燃料を合成する際に使う酵素を作る遺伝子を特定した。バイオ燃料の主成分であるエタノールの1.7倍のエネルギーを作り出すことができる。この遺伝子を組み入れた酵母などを量産すれば、新しいバイオ燃料の実用化につながる。
           【日経産業新聞 2011. 7.26朝刊  9面】

”E−010.奈良先端科学技術大学院大学は、植物の細胞を受精直後のような状態に初期化する遺伝子を特定した。植物の細胞を芽や葉などになる前の胚の状態に戻すことができた。有用な植物の増産などに役立つ可能性がある。
           【日本経済新聞 2011. 7.29朝刊 38面】

”E−013.東北大学は、世界自然遺産の小笠原諸島で小型のカタツムリが小鳥に食べられても排せつされて生き延びていることを、突き止めた。殻の口に膜を張り、軟体部を消化液から守っていた。捕食者の消化器官を通っても死なない卵や幼虫は確認されているが、成長した動物は極めて珍しい。
             【毎日新聞 2011. 7.27夕刊  8面】

”E−022.奈良先端科学技術大学院大学と大阪大学は、花を咲かせる植物のホルモンであるフロリゲンを茎の先端部で受け取る受容体を発見した。好きなときに花を咲かせる技術につながる可能性があり、不良環境でも穀物や果実を生産できる技術やバイオ燃料作物の生産技術の開発にも生かせる。
               【日刊工業新聞 2011. 8. 1朝刊 17面】

”E−028.奈良先端科学技術大学院大学は、背骨の数を決める生体内の仕組みを解明した。マウスの実験で、背骨のもととなる細胞を作る際に、周期的に働く遺伝子を制御する信号を見つけた。動物の種類によって背骨の数は異なるが、その詳細な仕組みを解明する糸口になる。
           【日経産業新聞 2011. 8. 4朝刊 11面】

”E−032.水産総合研究センター西海区水産研究所は、沖縄県水産海洋研究センター石垣支所との共同研究で八重山地方の重要種ながら資源減少が続くナミハタの特異な産卵行動の撮影に世界で初めて成功した。ナミハタの産卵時刻をもとに、卵の移送先と稚魚の育成海域が推定されることから、資源回復効果が期待できる。
             【日刊水産経済新聞 2011. 7.28朝刊  3面】

”E−038.横浜市立大学は、国立遺伝学研究所、理化学研究所、米エール大学との共同研究で神経ができる時に必須の新しいたんぱく質を発見した。神経の再生を阻害する分子に結合して、その分子の働きを抑えていることをマウスの実験で確認した。人間にも似たたんぱく質があり、傷ついた神経細胞を再生させる治療法の開発につながる可能性がある。
             【日経産業新聞 2011. 8. 5朝刊 11面】

”E−048.農業生物資源研究所は、岡山大学資源植物研究所、日立公共システムエンジニアリング(株)と共同で、オオムギの2万個以上の遺伝子配列とともに特徴を決定する遺伝子1699個を発見した。個別の遺伝子の役割を推定するのに役立ち、ムギ類全般の品種改良に活用できる。
             【茨城新聞 2011. 8.10朝刊 21面】
           【日本農業新聞 2011. 8.11朝刊 16面】
           【化学工業日報 2011. 8.11朝刊  4面】
           【日経産業新聞 2011. 8.16朝刊  5面】
          【茨城新聞(Web) 2011. 8.10    配信】

”E−050.理化学研究所は、植物の水分調節をする新しいたんぱく質を発見した。このたんぱく質がないと植物体内の水分調整やガス交換をする気孔という穴が閉まりにくくなり、水分が逃げてしまう。気孔開閉のメカニズムが分かれば、作物の生産量向上や乾燥に強い植物の改良などに役立つと期待される。
           【日刊工業新聞 2011. 8. 4朝刊 22面】

”E−051.東京大学は、生体内の分子の動きを観察するための材料として、光を当てると赤く輝く新しい蛍光色素を開発した。赤色の蛍光は生体を透過しやすく、深い部分の観察が可能となる。新しく作製した色素を「東京マジェンダ」と名付けた。
           【日刊工業新聞 2011. 8. 8朝刊  1面】

”E−054.東京薬科大学とハーバード大学は、共同でユリ科植物の根からとった化合物ががん細胞の増殖を抑える仕組みの一端を解明した。天然由来の化合物からの新しい抗がん剤開発につながる。
           【日経産業新聞 2011. 8. 8朝刊 11面】







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