MICS NEWS Vol.12 Number 8
          5.生体機能 … 機能の発見、製品開発 etc.
             

”G−056.東京大学と森林総合研究所は、カブトムシのさなぎが幼虫と振動を通じて情報のやり取りをしていることを突き止めた。眠っているようにみられるさなぎだが、自ら幼虫を遠ざけ一定の距離を保っている。振動を使って情報を送り、幼虫に一定以上近づかないように注意喚起しているとみている。
           【日経産業新聞 2011.10.20朝刊 11面】“

”G−060.千葉県農林総合研究センターと農研機構果樹研究所は、病原菌が長く分からなかったナシ萎縮病の病原菌を特定した。同病にかかった梨の木の腐った部分から病原菌を分離、別の梨に接種して症状を再現し、病原菌が「フォミティポリア属菌の一種」だと確認した。病原菌を特定したことで予防や防除法の研究が進むと期待している。
           【日本農業新聞 2011.10.20朝刊  1面】“

”H−005.熊本県農業研究センターと東海大学は、共同で天敵の病原菌を使って害虫のガを防除する「生物農薬」の実用化につながる物質を特定した。野菜や果実を食い荒らす大型のガの幼虫を殺す病原菌について研究中、カイコのさなぎから抽出した液が病原菌の活動を促進させることに気づき、その物質が「スフィンゴシン」であることを突き止めた。
           【熊本日日新聞 2011.10.25朝刊  1面】“

”H−006.東京大学、理化学研究所、国立遺伝学研究所、(株)ヤクルト中央研究所は、共同でマウスやラットの腸内に生息し、宿主の免疫機能を働かせる「セグメント細菌」のゲノム(全遺伝情報)を解読した。セグメント細菌は、破傷風菌やボツリヌス菌と近縁でありながら、感染症に直結する病原遺伝子を持たないことが分かった。
        【日刊工業新聞 2011.10.26朝刊 20面】“

”H−010.北陸先端科学技術大学院大学と石川県立大学は、共同で植物の光合成や呼吸にとって重要な気孔の数を増やす働きをするペプチドホルモン「ストマジェン」の立体構造を解明した。植物細胞を宿主にたんぱく質調整法を確立させ、解析に適したサンプルを得ることに成功した。植物ペプチドホルモンの3次元構造がわかったのは世界で初めて。
            【化学工業日報 2011.10.27朝刊 9面】“

”H−029.水産総合研究センターは、ノリのゲノム解析で、3つの高水温耐性遺伝子の発見に成功した。陸上生物にある熱ショックたんぱく質遺伝子に類似したもので、今回の研究成果を生かすことで耐性のある優良品種の開発を加速できる。今回の遺伝子の発見と並行して、ゲノム上の目印となる多数のマイクロサテライトDNAマーカーの候補が見つかった。
           【化学工業日報 2011.11. 2朝刊  8面】“

”H−038.理化学研究所と米カリフォルニア大学は、植物の成長や形態の形成に関わる植物ホルモンが作られる仕組みの一端を解明した。2種類の酵素を使いアミノ酸であるトリプトファンから、植物ホルモンであるオーキシンの一種「IAA」を合成することを明らかにした。植物が作るIAAの量を制御すれば、農作物やバイオマスなどの増産技術の開発が期待できる。
             【科学新聞 2011.11. 4    2面】
           【日刊工業新聞 2011.11. 8朝刊 23面】“

”H−039.水産庁は、太平洋クロマグロ仔稚魚分布調査で、南西諸島沖の黒潮流域軸付近で漁獲対象となる直前の稚魚の採取に成功したと発表した。調査は水産総合研究センター、水産大学校などと共同で実施したもの。稚魚の成長、食性、回避など初期生態の解明や漁獲対象となる資源量を早期に把握するうえで非常に重要な情報になる。
             【日刊水産経済新聞 2011.11. 7朝刊  2面】“

”H−041.理化学研究所と東京医科歯科大学、大阪大学、長浜バイオ大学は、共同で親と全く同じ遺伝子を持つ複製マウスをつくる「体細胞クローンマウス」の出生率を約10倍に高める技術を開発した。RNA(リボ核酸)を使い、染色体を不活性化する遺伝子の働きを抑える。新手法は、手間がかからず、マウス以外の実験動物でも使いやすい。 
            【日経産業新聞 2011.11. 8朝刊  9面】
             【読売新聞 2011.11. 8朝刊 37面】
             【茨城新聞 2011.11. 8朝刊 21面】“

”H−050.東京大学と水産総合研究センター増養殖研究所は、未知の部分が多いニホンウナギの生態を調べるため、目印を付けたウナギの幼魚約千匹を岡山市内3カ所の旭川に放流した。漁業者らに捕獲場所の情報を提供してもらい、成長過程での移動状況や成育に適した環境の解明を目指す。
             【山陽新聞 2011.11.11朝刊 26面】“

”H−063.JT生命誌研究館(JT BRH)は、九州大学、フランス国立農学研究所(INRA)と共同で、アゲハチョウが植物を見分け産卵するのに必要な味覚受容体の遺伝子を同定し、一連の行動を制御している食草選別能力の仕組みを解明した。全ゲノム解読が行われていない昆虫からの同遺伝子発見は世界初。
            【化学工業日報 2011.11.18朝刊  9面】“







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