MICS NEWS Vol.12 Number 12
          5.生体機能 … 機能の発見、製品開発 etc.
             

”K−055.農研機構畜産草地研究所、秋田県農林水産技術センター畜産試験場、福島県農業総合センター畜産研究所は、共同で、鶏の成長に関係する遺伝子の働きを解明し、増体を促す遺伝子型を発見した。コレシストキニンA受容体遺伝子が成長性に大きく関わっていることを突き止めた。
           【日本農業新聞 2012. 2.21朝刊 14面】
           【化学工業日報 2012. 2.22朝刊  9面】 


”K−060.農業生物資源研究所は、中国科学院、イスラエルのハイファ大学と共同で、葉の水分保持に必要な遺伝子「ABCG31」の機能を明らかにした。葉に水分を保持できないオオムギの突然変異体を解析し、この機能が必須なことを確認した。同遺伝子の機能を強化し付与するなどの取り組みを進めることで、乾燥耐性の高い品種改良につながる可能性がある。
           【化学工業日報 2012. 2.23朝刊  8面】 
          【日本農業新聞 2012. 2.23朝刊 12面】 


”K−063.イスラエルのバール・イラン大学は、酵母で発見された長寿遺伝子「サーチュイン(Sirt)」の働きを高めると、マウスのオスで寿命が延びることを突き止めた。哺乳類でSirtの寿命延長効果を確認したのは初めて。詳しい仕組みがわかれば、健康長寿に役立つと期待される。 
            【読売新聞 2012. 2.23朝刊 38面】“


”K−064.水産総合研究センターや東京大学大気海洋研究所、九州大学は、日本沿岸、東シナ海に生息するマアナゴの産卵場所が、日本最南端・沖ノ鳥島の南にある海底山脈「九州−パラオ海嶺(かいれい)」であることを突き止めた。長年謎に包まれたマアナゴの産卵場所が特定できたことは、資源量を管理する上で重要な発見となる。
           【読売新聞 2012. 2.24朝刊 37面】  
           【毎日新聞 2012. 2.24朝刊 27面】 
          【日本経済新聞 2012. 2.24朝刊 38面】  
           【産経新聞 2012. 2.24朝刊 27面】 
          【日経産業新聞 2012. 2.24朝刊 10面】 
          【日本農業新聞 2012. 2.24朝刊 15面】“


”L−012.東京理科大学は、イネが病気への耐性を高めるために合成する抗菌化合物ができるメカニズムを解明した。特殊なタンパク質がカルシウムイオンを細胞外から細胞内に運び入れ、抗菌化合物の合成を促していた。タンパク質の活性を高めれば、病気に強いイネの開発につながる。 
          【日経産業新聞 2012. 2.29朝刊  9面】“


”L−023.東京農業大学は、東京大学、国立成育医療研究センター、広島大学との共同研究で、精子と卵子でゲノム(全遺伝情報)の働きに大きな違いがあることをマウスで見つけた。いずれの遺伝子も、生まれながらにして持つ構造がストレスや老化など生活環境によって変化している。「エピゲノム」と呼ぶ現象だが、精子と卵子では影響の程度に差があった。 
          【日本経済新聞 2012. 3. 5朝刊 11面】“


”L−031.岡山大学資源植物科学研究所は、酸性土壌で溶け出し、作物の生育を阻害するアルミニウムに対して耐性を持つ大麦の仕組みを解明した。耐性品種は、根からクエン酸を放出してアルミニウムを無毒化し、放出は遺伝子「HvAACT1」がつかさどっている。この遺伝子の配列を調べたところ、耐性品種だけに1023塩基からなる配列が組み込まれていることを発見した。
              【山陽新聞 2012. 3. 7朝刊 28面】“


”L−051.農業生物資源研究所は、昆虫のさまざまな生理現象に関与する幼若ホルモン(JH)とその輸送タンパク質(JHBP)の複合体の立体構造を世界で初めて解明した。JHを模して開発されたJH様化合物は殺虫剤として用いられている。今回得られた成果を活用することで、害虫のみに効果を発揮し、人体には害のない新規農薬開発の加速化が期待される。
           【化学工業日報 2012. 3.13朝刊  4面】
           【日経産業新聞 2012. 3.15朝刊 11面】 


”L−055.自然科学研究機構基礎生物学研究所は、植物が光合成に必要な太陽光を大量に葉で受け止めるために、葉を横に成長させている遺伝子を発見した。関与していたのは2つの遺伝子で、この遺伝子の機能を失わせたところ、葉の横方向への伸びが悪くなった。作物の品種改良に役立つ成果。
           【日経産業新聞 2012. 3.14朝刊  9面】“


”L−057.京都大学は、人工的に暗闇で長期間飼育したショウジョウバエのゲノム(全遺伝情報)を読み解いた結果、解毒を促す遺伝子が変異していることを突き止めた。この変異には、体に入った毒を排出する酵素を作る遺伝子が多く含まれていた。毒に対し強くなることで暗闇に適応している可能性がある。
           【日本経済新聞 2012. 3.15夕刊 16面】“


”L−059.農業生物資源研究所と東京大学は、カイコが幼虫からサナギに変態するのを抑制する遺伝子を発見した。昆虫の脱皮や変態などにかかわる幼若ホルモンの合成に必要な遺伝子だった。ハスモンヨトウなどチョウ目の害虫による農作物の食害を減らす薬剤などに応用が期待できる。
           【化学工業日報 2012. 3.16朝刊  4面】
           【日刊工業新聞 2012. 3.19朝刊 17面】 
          【日経産業新聞 2012. 3.21朝刊  9面】  


”L−063.森林総合研究所は、松林を一斉に枯らす「松くい虫被害」は人間の花粉症のように松が害虫に過敏に反応して起こることを、突き止めた。クロマツに傷を付けて線虫1万匹を流し込み、木の反応を調べた結果、線虫を入れた翌日から、自分の細胞を殺す働きを持つ遺伝子が多数働いていることが確認された。 
            【読売新聞 2012. 3.17夕刊 12面】“


”L−069.東北大学は、皮膚で光刺激を感じるネズミを遺伝子組み換え技術で作ることに成功した。光を受け取ることのできる藻類のタンパク質を使った。脳が触覚刺激を情報として処理する仕組みの解明のほか、光刺激で神経活動を制御する治療研究に活用できる可能性がある。
           【日経産業新聞 2012. 3.21朝刊  9面





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