MICS NEWS Vol.13 Number 5
  
        1.食品機能  … 機能の発見、製品化 etc. …

”E−012.新潟大学は、高温や二酸化炭素濃度が高い環境でも品質が落ちないイネの品種を開発した。開発品種は本来備えるでんぷん分解酵素の遺伝子を別の遺伝子で改め、白濁を減らすよう働かせる。産地の東北地方より高温の環境では普通のコシヒカリは7〜8割が白濁したが、開発種は3割程度だった。 
          【日本経済新聞 2012. 7.31朝刊 13面】“


”E−013.農研機構は、涼しい早朝に開花して受粉障害を防ぐイネの品種を作った。イネは開花時の気温が35度を上回ると、高温障害で実を付けにくい。早朝に開花する野生種のイネと、コシヒカリを交配した。開花時間が午前7時ころと、普通のコシヒカリより3時間速い。
           【日本経済新聞 2012. 7.31朝刊 13面】“


”E−014.東京農工大学や名古屋大学は、茎が太くて強風でも倒れにくいイネの品種を開発した。インディカ品種の「ハバタキ」にコシヒカリを数世代にわたって掛け合わせた。茎を太くする「APO1」という遺伝子をハバタキから受け継いだ。茎の太さは7〜8ミリと、コシヒカリより2ミリ太くなった。折れずに耐える力が4割程度増えた。
          【日本経済新聞 2012. 7.31朝刊 13面】“


”E−015.農研機構野菜茶業研究所は、ネギの新品種「ゆめわらべ」を育成した。白く柔らかい葉鞘(ようしょう)部が短く、太りが早いため、少ない土寄せ回数で短期間で出荷できる。抽台が遅く夏でも高収量が見込め、周年的な栽培で安定した出荷が可能。辛味は少なく収穫時期が変わってもほぼ変化しない。緑の葉身部も食べられる。
 【日本農業新聞 2012. 8. 3朝刊 14面】     


”E−016.家畜改良センター兵庫牧場は、軍鶏の血統を引く肉用鶏の新品種「龍軍鶏(たつしゃも)ごろう」を開発した。「龍軍鶏ごろう」は、大型の軍鶏と、純国産原種で大きく育ちやすい「紅桜(べにさくら)」を交配。軍鶏の特徴を色濃く残しながら大型で飼いやすい。105日で出荷に適した体重(2.0〜2.5キロ)になる。 
            【神戸新聞 2012. 7.31朝刊  8面】“


”E−026.水産総合研究センター、(株)七つの海、ニチモウ(株)は、共同で、海苔の消費拡大と高付加価値化のための新規用途開発を目指し、海苔エキス(スサビノリエキス)を含む化粧品を開発した。海苔には紫外線を無害化するマイコスポリン様アミノ酸(MAA)が含まれていることを発見したうえで、人の細胞にも同様の効果があることを見出した。 
          【化学工業日報 2012. 8. 7朝刊  5面】“


”E−032.京都大学は、青ジソに老化やがんの発生などを予防する「DDC」と呼ばれる成分が含まれていることを発見した。体内では活性酸素が過剰にならないよう、抗酸化酵素やビタミンなどの働きでバランスが取られている。しかし、これが崩れると「酸化ストレス状態」となり細胞を傷つけ、老化やがん、動脈硬化などの一因になると考えられている。 
          【日本農業新聞 2012. 8. 8朝刊 13面】“


”E−040.農林水産省は、2014年度までに温暖化に強いイネの5品種以上の開発を目指す。現時点で高温による品質低下が少ない7品種を研究所ベースで開発済みで、今後、食味や耐病虫害性などを調べる。イネは夏場に高温になると米粒が白く濁る障害が発生し食味が低下、農家にとって収入が減るため深刻な問題になっている。
   【日刊工業新聞 2012. 8.14朝刊  4面】






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