MICS NEWS Vol.13 Number 9

          5.生体機能 … 機能の発見、製品開発 etc.
             

”I−007.森林総合研究所木材育種センター九州育種場は、屋久島と種子島だけに自生する五葉松・ヤクタネゴヨウを保全するため、苗木約300本を屋久島で配布する。配付先の家庭など現地で成長を観察する。ヤクタネゴヨウはマツ科の常緑樹で環境省レッドリストの絶滅危惧種。
            【南日本新聞 2012.11.21朝刊 29面】“


”I−043.農業生物資源研究所は、田植えをしてからイネが実るまでに、葉の中にあるほぼすべての遺伝子がどう働くかを予測するシステムを開発した。気温や湿度などの気象データと田植えからの日数、時刻を入力すれば、個別の遺伝子の働きを推定できる。肥料や農薬を散布する最適な時期を割り出し、コメの収量を増やせると期待される。
           【日経産業新聞 2012.12. 7朝刊 10面】
           【日本農業新聞 2012.12. 7朝刊 18面】
           【化学工業日報 2012.12. 7朝刊  4面】
           【日本経済新聞 2012.12. 7夕刊 14面】
           【日刊工業新聞 2012.12.11朝刊 15面】 


”I−057.近畿大学水産研究所は、人工環境でふ化して育った完全養殖のクロマグロの幼魚を海に放流したところ、1カ月以上にわたり自然環境でも生存したことを確認した。今後、放流した養殖クロマグロの生存率や回遊経路などを天然魚と比較するとともに、生態系への影響などを調べる。        
             【産経新聞 2012.12.14朝刊  2面】 
          【日経産業新聞 2012.12.14朝刊  8面】 
            【東京新聞 2012.12.14朝刊  7面】  
           【毎日新聞 2012.12.14朝刊 31面】 
            【読売新聞 2012.12.14朝刊 38面】
             【神戸新聞 2012.12.14朝刊 31面】 
            【京都新聞 2012.12.14朝刊 33面】  
           【静岡新聞 2012.12.14朝刊 34面】 
            【新潟日報 2012.12.14夕刊  7面】
         【日刊水産経済新聞 2012.12.17朝刊  2面】 
          【化学工業日報 2012.12.17朝刊 10面】   
        【日刊工業新聞 2012.12.17朝刊 19面】“


”I−062.群馬県立群馬産業技術センターと日本原子力研究開発機構は、共同で、イオンビーム育種技術を活用し、新たな吟醸用清酒酵母を開発した。香気成分カプロン酸エチルの生成量が多く、また従来の酵母にない甘い香りを醸し出す菌株で、3年間の試験醸造を経て実用品種としての可能性を見出した。
           【化学工業日報 2012.12.14朝刊  5面】“


”I−063.日本大学は、植物の枝や葉、茎などに含まれる繊維であるセルロースを高効率で糖に分解できる物質を合成した。分解酵素が複数集まった「セルロソーム」という複合体で、数十種類の酵素をもとに作った。合成したセルロソームの分解能力は、従来の人工セルロソームの3〜4倍。今後、バイオ燃料や樹脂の生産効率化に役立てる。
           【日経産業新聞 2012.12.14朝刊  8面】“


”I−064.徳島県立水産研究所は、徳島県沿岸部で昨年以降に異常繁殖し、鳴門わかめに食害をもたらしたアイゴは海水面近くのワカメをあまり食べないことを確認した。海水面の揺れが影響を与えたのではと分析している。アイゴはスズキ目アイゴ科の海水魚で、成魚になると体長は30センチを超える。
             【徳島新聞 2012.12.15朝刊  9面】“


”I−070.農業生物資源研究所と名古屋大学は、共同で、昆虫の体表の黒い色素の合成を抑制する方法を発見した。「Bm−aaNAT」と呼ばれる酵素を産生する遺伝子の機能を突き止め、この活性を人為的に強めることでふ化直後のカイコ幼虫の体表の黒さを薄くさせることに成功した。この遺伝子をマーカーとして活用することで、幼虫段階から、目視で遺伝子組み換えに成功したカイコを容易に判別できる。
   【化学工業日報 2012.12.19朝刊  5面】     


”I−071.理化学研究所などの国際研究グループは、イチゴ炭疽病菌とウリ類炭疽病菌の全ゲノムを解読し、毒素をつくりだす病原性に関与する遺伝子群候補を同定することに成功した。今回の成果は日本で被害の多いイチゴやメロンなどウリ類にフォーカスした。環境に優しい新たな防除法の開発に道が開かれることになる。
       【化学工業日報 2012.12.19朝刊  5面】“


”I−074.名古屋大学は、自然界では交雑できない遠縁の種の植物同士でも、人工的な交雑の実現に近づける遺伝子を特定したと発表した。交雑で新しい品種をつくれば、食糧の増産や新しいバイオマスの開発が期待できる。カブとキャベツの交雑でナタネが生まれるなど近縁種では交雑することがあるが、通常は異種の植物は受精に至らない。
 【新潟日報 2012.12.19夕刊  6面】 
          【日本農業新聞 2012.12.20朝刊 14面】“


”I−084.岡山県生物科学研究所、理化学研究所、独マックスプランク研究所などは、共同で、イチゴや、キュウリ、メロンといったウリ類の炭疽病菌のゲノム(全遺伝情報)の解読に成功した。農薬開発や品種改良につながると期待される。炭疽病菌は600種以上の野菜や果樹などで確認され、世界的に被害が大きい植物病害の一つ。
    【山陽新聞 2012.12.23朝刊  5面】“


”I−085.フランス農業研究開発国際協力センターなどの国際チームは、食用に栽培されるバナナの原種のゲノム(全遺伝情報)の解読に成功した。栽培品種の味をさらに良くしたり、病害虫に強くしたりする品種改良に役立つと期待される。単子葉植物の中では、イネやコムギなどのイネ目以外で初めてゲノムが解読された。
         【毎日新聞 2012.12.25朝刊 20面】“


”J−002.東京大学、岡山大学などの研究チームは、稲穂の枝分かれを促し、できるコメの量を増やす遺伝子を発見した。豊作を連想させる「TAWAWA1」と名前を付けた。この遺伝子の働きが強まる変異の起きたイネをコシヒカリと掛け合わせると、1本当たりの収量が最大で4割増え、味もコシヒカリと変わらないイネができた。
           【日刊工業新聞 2012.12.28朝刊 14面】“






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