MICS NEWS Vol.14 Number 1

          5.生体機能 … 機能の発見、製品開発 etc.
             

”L−050.農業生物資源研究所は、ダイズなどのマメ科植物が空気中の窒素を養分として取り込むのに必要なたんぱく質を突き止めた。このたんぱく質の働きを高めると、根粒菌が共生するのに必要な根粒ができ、空気から窒素を取り込んで育った。マメ科作物の栽培コストの削減につながる。
           【日経産業新聞 2013. 3.26朝刊  9面】 
          【日本農業新聞 2013. 3.26朝刊 20面】  


”L−059.千葉大学は、遺伝子組み換え技術で、実験植物のシロイヌナズナの重さを3倍に増やすことに成功した。応用すればバイオマス(生物由来資源)燃料に使う作物の収量向上に役立つ。細胞内の器官を作る遺伝子をイネから取り出し、シロイヌナズナに組み込んだ。一部の器官でなく植物全体を数倍にした研究は初めて。
      【日本農業新聞 2013. 3.27朝刊 16面】“


”A−007.岩手生物工学研究センターと岩手大学は、共同で、ゲノム配列が解読されていないイネ品種からでも耐病性、耐冷性など有用遺伝子を迅速に見つけ出す新しい解析技術「MutMap−Gap(ムットマップギャップ)法」を開発した。短時間、低コスト、低価格で、さまざまな品種の遺伝子を単離できる。 
          【化学工業日報 2013. 4. 1朝刊  5面】“


”A−013.東京農工大学、徳島大学、九州大学は、共同で、植物から放出され、他の植物に促進や阻害といった形でなんらかの影響を与える化学物質、アレロケミカル(他感物質)に関する研究の結果、約20種のアレロケミカルを発見した。さらに発見されたアレロケミカルの構造を改変することで顕著な除草活性を示す物質も見出した。
【化学工業日報 2013. 4. 4朝刊  4面】“


”A−028.中部大学と名古屋大学は、共同で、植物の葉が平らになる仕組みを解明した。2種のたんぱく質が特定の遺伝子の発現を抑制することで、葉が平らに作られていた。光合成にかかわる葉の作り方を解き明かせば、食糧増産や環境浄化の用途に応用できる。
           【日経産業新聞 2013. 4.10朝刊  6面】“


”A−037.奈良先端科学技術大学院大学は、植物が葉など器官の大きさを一定に保つための新たな仕組みを解明した。表皮面での「極長鎖脂肪酸」の合成により、植物ホルモン「サイトカイニン」の量を減らし細胞増殖を適度に抑制していることを突き止めた。バイオ燃料の原料となる植物のほか、穀物や野菜など植物の増産への活用が期待される。
             【奈良新聞 2013. 4.11朝刊 13面】 
          【化学工業日報 2013. 4.11朝刊  5面】“


”A−038.東京大学は、ヘマトコッカス藻がカロテノイド色素のアスタキサンチンとオイルを細胞内に蓄積させる仕組みを解明した。バイオマス利用や高付加価値な化合物生産に有望視される藻類バイオテクノロジーを発展させる大きな前進材料となる。藻類の細胞が生産する目的物質の生産量を正確に見積もる有用ツールとして実用化が見込まれる。
            【化学工業日報 2013. 4.11朝刊  5面】“


”A−039.東京農工大学と理化学研究所などは、共同で、乾燥した気候に耐える植物で働くホルモンの仕組みを解明した。アブラナ科のシロイヌナズナでは植物ホルモン「アブシシン酸」が乾燥に耐える力を生むが、アブシシン酸の合成にかかわっている「SnRK2」というリン酸化酵素が重要な役割を担っていることを突き止めた。 
  【日経産業新聞 2013. 4.12朝刊 10面】“


”A−040.農研機構野菜茶業研究所と前橋工科大学は、共同で、受粉・受精しなくても果実が着果・肥大する(単為結果性)トマトの原因遺伝子「Pat−2」を特定し、塩基配列を明らかにした。同遺伝子の塩基配列を調べれば選抜が容易になり育種効率を高めると期待される。
             【科学新聞 2013. 4.12    4面】 
          【日本農業新聞 2013. 4.12朝刊 14面】“


”A−042.農業生物資源研究所は、東洋大学、京都大学と共同で、インドのインディカ型イネ品種「カサラス」から、米の粒を長く、かつ重くする遺伝子を特定した。今後、これらの限られた品種しか持っていない有用遺伝子を見つけ出し利用することで、収量性や品種安定性の向上など、より効率的なイネの改良が可能となる。
      【化学工業日報 2013. 4.16朝刊  4面】  
         【日本農業新聞 2013. 4.16朝刊 18面】 






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