MICS NEWS Vol.14 Number 2

          5.生体機能 … 機能の発見、製品開発 etc.
             

”A−044.農業生物資源研究所と農業環境技術研究所は、共同で、農作物の病害抵抗性を誘導する物質を発見した。新たに見出された物質を処理したトマトが、病害に対して顕著な抵抗性を示すことを確認した。今回の成果を発展させることで、病害抵抗性の発達した農作物の作出や、化学農薬の使用量を削減する統合的な病害虫防除手法の開発が期待される。 
          【化学工業日報 2013. 4.16朝刊  4面】“


”A−054.米ブロード研究所などは、「生きた化石」と呼ばれるシーラカンスの全遺伝情報(ゲノム)を解読した成果をまとめた。シーラカンスは姿形が3億年以上変化していないといわれるが、遺伝子レベルでも進化の速度が遅いことがわかった。捕食者のいない安定した環境にいたので、変化する必要が少なかった可能性がある。
      【読売新聞 2013. 4.18朝刊 37面】 
            【静岡新聞 2013. 4.18朝刊 29面】 
            【東京新聞 2013. 4.18夕刊  8面】“


”A−059.長野県野菜花き試験場は、アスパラガスの茎の根元にカビが繁殖する「茎枯病」について、季節や生育段階に応じた防除対策を体系的にまとめた。感染した茎を適切に処理することなどで防除効果を向上させる。茎枯病はカビの一種「ホモプシス・アスパラギ」が根元に付着、増殖することで起こる。 
          【信濃毎日新聞 2013. 4.23朝刊  6面】“


”A−066.東京大学は、草木や廃材などを原料にエタノールを作る工程で、アルコール発酵を妨げる化合物「バニリン」の詳しい作用を解明した。バニリンは、たんぱく質合成にかかわる細胞内小器官「リボソーム」に影響を与えていた。バニリンの影響を受けにくい酵母が開発できれば、バイオエタノールの生産効率が向上するとみている。
           【日経産業新聞 2013. 4.26朝刊 11面】“


”A−070.岡山大学資源植物科学研究所は、アブラナ科シロイヌナズナから植物の人工染色体(PAC)を作り出すことに成功した。サイズが非常に小さく、正常染色体などに悪影響を与えないのが特長。細胞内に元からある染色体を操作し、サイズを小さく環状化させて効率的にPACを作り出す方法を確立した。
              【山陽新聞 2013. 4.26朝刊 30面】 
          【日刊工業新聞 2013. 4.29朝刊 13面】“


”B−001.奈良先端科学技術大学院大学は、イネを使って植物の免疫システムがオンになる瞬間を可視化し、メカニズムを世界に先駆け発見することに成功した。この発見により植物の病原菌侵入の感知から抗菌性物質の産生など病原菌に対する直接的な攻撃まで一連の免疫司令経路が明らかになった。
           【化学工業日報 2013. 4.24朝刊  5面】“


”B−002.神戸大学は、イネの穂の開閉を制御する遺伝子が栽培化の引き金になったことを見出した。野生イネは穂が開いているが、この遺伝子の働きが弱まると穂は閉じる。穂が閉じることで、おしべとめしべが外に出ないように押し込まれ、自分の花粉で受精しやすくなり、性質が均一で栽培に適したイネが生まれることも分かった。
    【産経新聞 2013. 4.29朝刊 11面】“


”B−008.甲南大学先端生命工学研究所は、RNA(リボ核酸)の一種、伝令RNA(mRNA)がたんぱく質の設計に関わるだけでなく、mRNAの構造がその環境によって分解しやすい、しにくいなど、たんぱく質の機能にも影響を及ぼすことを突き止めた。今後、mRNA上でたんぱく質の機能を制御できる薬剤の開発につながる。
  【日刊工業新聞 2013. 5. 3朝刊 15面】“


”B−012.名古屋大学は、九州大学、産業技術総合研究所と共同で、細胞内でエネルギーを生み出す「ミトコンドリア」の活動に必要なリン脂質を合成する酵素を突き止めた。ミトコンドリアだけに存在する「カルジオリピン」というリン脂質の合成経路を調べたところ、たんぱく質「Tam41」が酵素として働いていることが分かった。
【日経産業新聞 2013. 5. 5朝刊  7面】“


”B−022.東京大学と石川県立大学は共同で、トウモロコシが土の中の鉄分を吸収するメカニズムの一端を解明した。根の細胞膜にあるたんぱく質が、鉄を取り込む運搬役になる物質を体外に出し鉄の吸収を促していた。鉄を吸収しにくいアルカリ性の高い土壌でも育つ穀物作りにつながる可能性がある。 
          【日経産業新聞 2013. 5.10朝刊 10面】“


”B−024.東京大学を中心とする研究グループは、ビフィズス菌の増殖因子ができる仕組みを解明した。母乳に含まれるミルクオリゴ糖から増殖因子「ラクトNピオース」を切り出す酵素の反応メカニズムを見つけた成果となる。同酵素は腸内細胞ビフィズス菌が作り出し、自らの増殖に使用している。
           【化学工業日報 2013. 5.10朝刊  5面】“






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