MICS NEWS Vol.14 Number 3

          5.生体機能 … 機能の発見、製品開発 etc.
             

”B−054.産業技術総合研究所と農研機構花き研究所は共同で、植物を乾燥や紫外線、病原菌から守る保護膜の形成に関わる2遺伝子を発見した。これらの働きを高めれば、乾燥や病気に強い花などが作れる可能性がある。保護膜はクチクラと呼ばれ、花や茎、葉に存在する。植物の表面に光沢を与える物質で、脂肪酸などでできたワックスなどからなる。 
          【日経産業新聞 2013. 5.24朝刊 10面】  
         【化学工業日報 2013. 5.24朝刊  5面】“


”B−058.産業技術総合研究所は、大豆害虫であるカメムシの一種が環境中に存在する農薬分解菌を体内に共生させ、農薬抵抗性を獲得することを発見した。ホソヘリカメムシが、植物の表面や土壌中に存在する農薬分解菌バークホルデリアを経口で取り込み、体内に共生させることで有機リン系農薬への抵抗性を獲得することを発見した。
         【化学工業日報 2013. 5.28朝刊  4面】“


”B−061.森林総合研究所などの研究チームは、東南アジアの島々に広く分布するフタバガキ科の木の遺伝子を調べ、東南アジアの熱帯雨林で生物多様性が高いのは、繰り返された氷河期に島々がつながったり離れたりした際、生物が行き来できたからかもしれないとの研究成果を発表した。 
            【朝日新聞 2013. 5.29夕刊  7面】“


”C−004.帯広畜産大学と東京大学は共同で、生肉やペットから感染する寄生虫「トキソプラズマ原虫」の薬剤耐性にかかわる遺伝子を特定した。原虫への効果が期待される新薬候補物質を投与する実験で薬剤耐性を持つ原虫を見つけた。ゲノム(全遺伝情報)を解読すると遺伝子「TgMAPK1」に変異があった。
           【日経産業新聞 2013. 5.31朝刊  9面】“


”C−015.国立遺伝学研究所は理化学研究所と共同で、実験動物として世界の医学の進歩に貢献しているマウスは江戸時代に日本でペットとして飼われていたマウスの子孫であることを突き止めた。日本産マウスをもとにつくったJF1と呼ばれるマウスと、世界で広く使われ基準になっているマウスの全ゲノムを比較した結果、同じ祖先に由来していることがわかった。 
            【朝日新聞 2013. 6. 7朝刊 37面】“


”C−028.農業生物資源研究所は、水稲のいもち病抵抗性遺伝子「Pb1」の役割を解明した。同遺伝子が作るPb1たんぱく質が、病害抵抗性を高めることが知られるWRKY(ワーキー)45たんぱく質と結合。ワーキー45たんぱく質の分解を抑えることで、高い抵抗性を保つ。Pb1遺伝子の機能を強化すれば、高い病害抵抗性を安定的に発揮する水稲の開発が期待できる。
           【日本農業新聞 2013. 6.14朝刊 20面】 
          【化学工業日報 2013. 6.14朝刊  5面】    


”C−031.理化学研究所は、ニホンウナギから新たな緑色蛍光タンパク質「UnaG(ユーナジー)」を発見した。同たんぱく質はヒトの肝機能の指標として知られるビリルビンと結合すると蛍光を発する特性を持つ。高感度で迅速にビリルビン濃度を測定でき、無酸素状態でも蛍光を発するため、新たな試薬として実験動物のがん細胞観察など実用的な用途が見込まれる。 
          【化学工業日報 2013. 6.14朝刊  1面】 
          【日経産業新聞 2013. 6.14朝刊 10面】 
            【茨城新聞 2013. 6.14朝刊 23面】“


”C−034.東京理科大学と京都大学生態学研究センターは共同で、害虫に食べられたトウモロコシが放出した香りを受け取った未被害のトウモロコシが、その香りの情報を5日間記憶にとどめ、害虫に対する抵抗性を高めることを突き止めた。今後、植物の香りの受容と記憶の分子メカニズムに関する研究をさらに進めていく。
         【科学新聞 2013. 6.14    6面】“


”C−038.金沢大学は、国内外で広く使われているネオニコチノイド系農薬をミツバチに摂取させると、比較的低濃度でも巣箱の中のミツバチがいなくなり、群れが消える「蜂群崩壊症候群(CCD)」に似た現象が起こるとの実験結果をまとめた。ハチが即死しないような濃度でも、農薬を含んだ餌を食べたハチの帰巣本能がだめになり、群れが崩壊すると考えられる。
             【茨城新聞 2013. 6.18朝刊 21面】“







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