MICS NEWS Vol.14 Number 11

          5.生体機能 … 機能の発見、製品開発 etc.
             

”L−002.オランダ・アムステルダム自由大学と基礎生物学研究所は、PH1とPH5という液胞膜に存在するポンプタンパク質がペチュニアの花を赤くし、ポンプが機能しなくなると花が青くなることを発見。これらが正常に機能して液胞内のPHが低くなると、アントシアニンは赤く発色し、花は赤くなり、突然変異により機能が失われると液胞内のPHが高くなり花は青くなる事を突き止めた。 
【科学新聞 2014.2.14朝刊 2面】
【化学工業日報 2014.2.18朝刊 7面】“


”L−005.東京大学は、全昆虫の脳構造の区別、名称を共通化する枠組みを設定。これまで昆虫ごとに名称や定義、境界がバラバラだったが、国際的な協議を決めることで昆虫の脳研究を加速。米、独、英、日の4カ国15研究室の国際ワーキンググループ(WG)による共同提言で、米科学誌ニューロンに発表。
  【日経産業新聞 2014.2.20朝刊 11面】“


”L−006.農業生物資源研究所と沖縄県農業研究センターは、サトウキビの害虫「ケブカアカチャゴガネ」について人工合成の性フェロモンで繁殖を防ぐ技術を開発したと発表。サトウキビに多大な被害をもたらすケブカアカチャゴガネ幼虫の増殖を防ぐことで収穫機のサトウキビの減収をなくせる。 
【日本農業新聞 2014.2.21朝刊 20面】
【沖縄タイムス 2014.2.21朝刊 8面】
【琉球新聞 2014.2.21朝刊 5面】
【化学工業日報 2014.2.26朝刊 7面】


”L−010.北海道大学大学院の研究グループは、昆虫の性決定遺伝子の一つであるdsx(doublesex)遺伝子に着目、この遺伝子がクワガタムシにおいても雌雄の形態差を制御していることを解明。これまでよくわかっていなかった性決定遺伝子とホルモン経路の関係について新たな知見が提供されたことで、様々な昆虫において雌雄間の形態差を生じさせる発生メカニズムの研究が進展するものと期待されている。 
【科学新聞 2014.2.21朝刊 2面】“


”L−011.理化学研究所は、シロイヌナズナを用い、植物ホルモン「ストリゴラクトン(SL)」が乾燥と高塩濃度ストレスへの耐性を増大させる制御因子である事を突き止めた。SL、アブシジン酸、サイトカイニンによる複合的なホルモン応答経路に通じて、ストレス応答遺伝子の発現と気孔の閉鎖により環境ストレスに適応する新たなメカニズムが存在することも明らかにした。 
【科学新聞 2014.2.21朝刊 4面】“


”L−016.農業生物資源研究所は、東京大学、筑波大学、富山県立大学との共同研究で、アリ同士の情報交換時に情報伝達物質を運ぶ新型たんぱく質「アリNPC2」を発見したと発表。「アリNPC2」の働きを抑える事で人や環境に影響がない害虫アリの防除薬剤の開発が期待できる。 
  【日本農業新聞 2014.2.25朝刊 16面】
  【化学工業日報 2014.2.25朝刊 6面】
【日経産業新聞 2014.2.28朝刊 9面】


”L−022.名古屋大学は、遺伝子組み換え技術を使わずに植物の遺伝子を操作する手法を開発したと発表。高価な試薬を使わず、素早く簡単に遺伝子の働きを制御することができる。実験では培養が難しい花粉で3種類の遺伝子の働きを制御できた。新技術は細胞内で特定の遺伝子の働きを抑える「S化オリゴ」という人工DNAを活用し、この物質と花粉を合わせ、温度などを一定にし培養すると花粉がS化オリゴを吸収するしくみ。 
【日経産業新聞 2014.2.26朝刊 6面】“


”L−028.農林水産省は稲わらや木材など農林水産物由来物質を工業系先端材料に利用するための研究に着手。電気化学工業、中外炉工業などと共同で5日に研究の検討組織「工学と連携による農林水産物由来の物質を用いた高機能性素材等の開発」研究戦略検討会を立ち上げる。検討会には民間企業に加え、東京大学大学院、大阪大学接合化学研究所、信州大学、森林総合研究所等も参加する。
             【日刊工業新聞 2014.3.3朝刊 12面】“


”L−032.トマトの果実が成熟するに従って柔らかくなるのは、従来、細胞壁が一方的に分解されていくためと思われていたが、筑波大学は分解の一方で新たに物質を合成して細胞壁が再構築されている事を解明した。成熟の過程で、細胞壁が作り替えられ、硬さだけでなく、硬さと柔らかさの両方を兼ね備えた新たな細胞壁に構築されていく仕組みで、このメカニズムが解明されれば、より商品価値の高いトマトの開発が期待できる。
  【日本農業新聞 2014.2.28朝刊 18面】“


”L−042.国際農林水産業研究センターは、アジアイネとアフリカイネの交雑種である陸稲「ネリカ」の日本での栽培評価にかかわる特性解析データを初めてまとめた。このデータは、国際的に食料増産に役立つ作物として有望視されているネリカ米の農業特性や有用な遺伝子形質を調べることが目的。今回のデータは温帯モデルにあたる、つくば市で得られたものとしてJIRCASのウェブサイトで公開されている。 
【化学工業日報 2014.3.5朝刊 6面】“


”L−046.東北大学は、イネの冷害が発生するメカニズムの一端を解明。気温が下がると、花粉を作るのに必要なホルモンが減る事が原因。寒くても収穫量が減らないイネを作る品種改良に役立つとし、宮城県古川農業試験場や名古屋大学、理化学研究所などなどとの共同成果で、米科学誌プラント・フィジオロジー(電子版)に発表。 
【日経産業新聞 2014.3.5朝刊 6面】
【化学工業日報 2014.3.6朝刊 7面】
【河北新報 2014.3.7朝刊 27面】“


”L−059.東京大学大学院は、植物の病原細菌ファイトプラズマによって引き起こされる花を葉に変えてしまう葉化病の原因遺伝子の発見に成功。花の形成に関するたんぱく質と結合し、花形成プロセスを阻害し葉に変化。同遺伝子を「ファインロジェン」と命名し、研究を重ねた結果、同遺伝子の産業利用の可能性がみえ、他の植物に導入すると、緑色の花など新品種の開発ができることがわかった。
  【化学工業日報 2014.3.13朝刊 6面】“






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