MICS NEWS Vol.15 Number 1

          5.生体機能 … 機能の発見、製品開発 etc.
             

”M−020.サントリーグローバルイノベーションセンター、自然科学研究機構基礎生物学研究所、農研機構花き研究所は、共同で花の色素合成にかかわる新たなたん白質「EFP」を発見。このたん白質は、フラボノイド生産促進因子として機能しており、これが働かない変異体に比べ、フラボノイドの仲間に大別される色素成分アントシアニンの生産効率が約3倍高まる事を確認。 
【化学工業日報 2014.3.20朝刊 5面】
【日本農業新聞 2014.3.27朝刊 18面】“


”M−028.理化学研究所は、DNAの新たな切断技術を開発。非天然型の塩基を導入し、安価な試薬の化学反応を利用する技術で、任意の部分を確実に切断可能。また、切断されたDNAの5末端側にリン酸基が残せる。リン酸基が残ることでDNAを他のDNAとつなぐ「のり」の役割をする試薬酵素であるDNAリガーゼの基質として利用できるため、DNA遺伝子組み換えの効率を格段に高めることができる。 
【化学工業日報 2014.3.24 6面】
【日刊工業新聞 2014.3.24 21面】“


”A−035.京都大学と茨城大学は、光合成を担うたんぱく質の詳しい構造を解明。理化学研究所の大型放射光施設「Spring-8」などで解析を行った。光エネルギーや二酸化炭素を使い人工的に養分を作る人工光合成の研究成果は英科学誌ネイチャー(電子版)に掲載されている。 
【日本経済新聞 2014.3.27夕刊 14面】“


”A−038.徳島県立農林水産総合技術支援センター資源研究課の中西友章上席研究員は、果実などにつく害虫キジラミがビワに寄生しているのを国内で初めて発見し、このキジラミが新種であることを確認。日本応用動物昆虫学会誌に論文を掲載し、和名「ビワキジラミ」と命名。ビワキジラミは体長2〜3ミリで、ビワの果実や葉に寄生すると、幼虫の排泄物で果実が黒くなる「すす病」が発生し、出荷ができなくなるケースもある。 
【徳島新聞 2014.3.29朝刊 4面】“


”A−040.東京大学と理化学研究所は、植物バイオマス(生物資源)となる木質繊維を作りだす仕組みの一端を解明。実験用植物に薬剤を与え、葉を木質細胞に変化させる実験に成功。紙や燃料になるバイオマスの効率的な生産技術の開発につなげる考えで、企業と協力も検討している。成果は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に発表。
【日経産業新聞 2014.3.31朝刊 11面】“


”A−055.農林水産省は、農林水産物由来原料を使った高機能素材の開発に向け、工学との連係を軸に据えた研究戦略をまとめる予定。応用の進展しているナノテクノロジーを融合することにより、自動車や航空機、電子材料分野に最先端素材の提供を目指すものであり、作物などの廃棄物を高付加価値化し、化石資源・金属資源を補う素材原料として役立てる目的。
  【化学工業日報 2014.4.7朝刊 11面】“


”A−057.(独)農業生物資源研究所が開発した「遺伝子組み換えカイコ」、農林水産省から今年2月に試験飼育が認められ、農家5戸で作る「前橋遺伝子組み換えカイコ飼育組合」は、来夏にも桑畑での実用飼育を目指す。飼育されてきたカイコは成虫になっても飛べない為、生態系への影響がないと判断された。全国の農家で量産できれば、高機能絹糸だけでなく、再生医療や化粧品の素材での利用拡大も期待できる。
【読売新聞 2014.4.7夕刊 7面】
【読売新聞(大阪) 2014.4.7夕刊 6面】“


”A−066.北陸先端科学技術大学院大学と石川県立大学生物資源工学研究所は、高性能たんぱく質の量産技術を開発。高性能たんぱく質のDNAと、ウイルスのDNAを結合し、液体培養のスピードが速いBY-2細胞に取り込んで増殖をさせる。化学産業や農業に応用できるとしている。 
【日刊工業新聞 2014.4.11朝刊 19面】“


”A−074.農業生物資源研究所などは、乾燥して休眠状態になったネムリユスリカが宇宙の微小重力のもとで蘇生し、サナギを経て成虫まで成長したことを確認したと発表。国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」に滞在する若田光一宇宙飛行士が実験。将来、人が宇宙に長期滞在するようになった際、食料となる魚のエサとしての利用を見込めるとしている。
  【日本経済新聞 2014.4.16朝刊 38面】
【毎日新聞 2014.4.16朝刊 28面】
【読売新聞 2014.4.16朝刊 37面】
【化学工業日報 2014.4.16朝刊 6面】“


”A−075.東京理科大学などは、水稲が花粉を作るためには自身の細胞の一部を分解する必要があることを解明。研究が進めば、水稲の収量向上や種子の品質改善などにつながる可能性があるとしている。国立遺伝学研究所、理化学研究所、東北大学、長浜バイオ大学、農業生物資源研究所、日本女子大学が共同で研究をすすめている。 
【日本農業新聞 2014.4.17朝刊 16面】“


”A−085.京都大学大学院は、植物が季節を感知して花を咲かせる仕組みをコケ類のゼニゴケをモデルとして突き止めた。植物の分子機構や進化過程の解明につながると期待されており、ゼニゴケのゲノム情報を解析したところ、相同性を示す遺伝子が存在する事を解明。この遺伝子を欠損させたゼニゴケは生殖器形成が起こらないのに対し、過剰に蓄積させた変異体は季節に関係なく生殖器形成が促進されることが判明した。 
【日刊工業新聞 2014.4.23朝刊 19面】“





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